24.勉強会 ページ25
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「この問題は、こうすればーー」
『……あ！分かった！ありがとう兄さん』
「愛する妹の為なら何でもするよ」
『うん、断る』
士郎とAの顔は笑っている。士郎も士郎でめげない。
「A、何でこうなるのか分かんねえんだけど……」
見ての通り、只今3人で勉強会中です。
『…………』
「おい、無視かよ」
『…………』
「あはは、まだこの前の事を引きずってるんだね」
Aはすっかり風邪を治したものの、まだアツヤに口移しされた事を根に持っているようだ。
「あはは、じゃねえよ。このままじゃ明日やばいって！頼む！A、教えてくれ！」
アツヤは、というか白恋中は明日からテストだ。二年生の初日には、アツヤの苦手な国語があった。本当にアツヤは焦っていた。
『別に、私じゃ無くても士郎兄さんに訊けば？何で一年生に訊くの？それが無理なら大人しく欠点取ればいいのよ』
ああ、先程のスマイルは何処へ行ったのやら。Aは全く手を止めずに軽く聞き流す。
「欠点だけはごめんだ！兄貴、教えてくれ！」
「生憎、僕も国語は苦手なんだ。一年生の範囲なら教えられるけど、二年生はな……」
アツヤの顔色が変わった。
「冗談だよな……兄貴、国語得意だってこの前……」
「いいや？僕は元々社会が得意なんだ」
「う、嘘だろ……本当にこのままじゃ……欠点だ」
アツヤは後ろを向き、頭を抱えてやばい、やばい……とぶつぶつ言っている。それを見た2人は笑いを堪えるのに必死だった。
そう。Aは全く怒っていなかった。
いつも怒っても直ぐに許すAがここまで怒りを引きずるのはおかしいと思った士郎は遊び半分でAのおふざけに協力したのだった。
無言で妹の気持ちを感じ取れる……流石兄妹といったところか。
そのまま一時間程経過し……
士郎とAは自分の勉強をそれぞれしていたが、まだアツヤは何かをぶつぶつ言っている。飽きないのか？
少し可哀想になってきたのか、Aは立ち上がり、そっとアツヤの後ろから近づく。
わぁー！と言ってAはアツヤを後ろから抱きしめた。
「な、何だよ……」
とは言うが表情筋は完全に緩んでいる。
『ごめん兄さん。ちょっとふざけてただけなんだ。どれが分からないの？』
「僕も、本当は国語得意だよ。見せて」
「A、兄貴……」
何やかんや言って、Aも兄の事が好きなのである。
後日、アツヤの元には平均点より十点上の答案が返ってきた。
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氷の疾風(プロフ) - タピタピさん» わわわ、尊いだなんて……ありがとうございます！！！最近多忙で中々まとまった更新時間が取れませんが完結させられるよう頑張ります！ (2020年1月22日 22時) (
レス) id: 61b7fc8a8d (このIDを非表示/違反報告)
タピタピ - お話し内容ちょー好きです......尊い.....これからも頑張って下さい！応援してます！ (2020年1月21日 21時) (レス) id: ce0225beb5 (このIDを非表示/違反報告)
氷の疾風(プロフ) - コメントありがとうございます！とっても嬉しいです！！これからも更新頑張ります！ (2019年8月28日 11時) (レス) id: 61b7fc8a8d (このIDを非表示/違反報告)
ひらはらひらは(プロフ) - 吹雪兄弟すごいな…とっても面白いです！続き楽しみにしています！ (2019年8月28日 7時) (レス) id: 8fced89393 (このIDを非表示/違反報告)
氷の疾風(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます！吹雪兄弟は個人的にそういうイメージがありまして笑 これからも頑張って更新していきます！ (2019年8月27日 11時) (レス) id: 61b7fc8a8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷の疾風 | 作成日時：2019年8月24日 15時
