ねぇ、そばに居させて？【地縛少年花子くん】 (ページ7)

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ごー。【トイレの花子さん】ページ7

今の寧々ちゃんはその男を見返す為だけに恋をしている。

「でもさ、話を聞いてる限りそれって誰でもいーんだ？」

「花子くん！？」

「そ……そんなわけないじゃない！
やだなーもー花子さんったら！」

　そう、誤魔化しはするけども寧々ちゃんは源輝のことを何も知らない。下の名前すらも知らないのだ。一目惚れという言葉はあるが、その人のことを知りたいと思わないのに好きだ、なんてそれはただスペックで選んでいるだけ。先輩のことを見返すのに丁度いいイケメンだったってだけだ。
　……でも、まぁそれでも言っていいことと悪いことってのはあると思うけどもね。

　花子くんはやれやれ、と言った感じに自分の制服の内側を探り出したかと思うとメッセージカードとペンを取り出す。

「じゃーこれをやろ。
ヤシロが作ったものをセンパイに送る
名付けて、プレゼント大作戦～！」

「でも前もそれで……」

「同じになるかはわかんないよ！寧々ちゃん、アピールも何もしてないから接点なんてないでしょ？」

「せっかくなら活かしたいじゃん
今まで頑張ってきたんだから」

　やる気になった寧々ちゃんはプレゼント大作戦を実行する。しかし、夏野菜と「先日はありがとう」というメッセージのせいで狐の恩返しだと思われて失敗。
　しかしめげずに切りかえ、張り切ってみたものの……

恋のボタン作戦。
花子くんが隙を見てボタンを取ってきて寧々ちゃんがボタンをつけてあげる、という計画だったが他の生徒たちがボタンを提供しすぎて入る隙なし。失敗。

お弁当作戦。
夏野菜をお弁当にしよう、ということでキャラ弁を作るも余りにもおどろおどろしい見た目のため落し物だと思われた。失敗。

恋の曲がり角作戦。
花子くんの合図により曲がり角でぶつかって心配される、という作戦だが寧々ちゃんが突っ走りすぎて中等部の男子とぶつかる。失敗。

「ねぇ、いくらなんでも回りくどすぎよ
もっと手っ取り早く……」

「んーじゃあ
告っちゃおっか」

「花子くん、いくら自分に経験がない初心者だからってそんな適当じゃダメだよ」

　花子くんが恋愛成就の願い事初心者って事実に寧々ちゃんはこれでもかと言うほど驚く。まぁ、花子くんを呼べる人間なんて限られているのだから、仕方ないことなのだろう。それに怪異になる前はただの中学生だったのだから健全なやり方しか知らないのも。
　……あれ、何か寧々ちゃんにも花子くんにも睨まれてる気がするけど……気の所為だよね？