彼女は女子アナ！

第１６話 ページ16

Side:Takuya


ヒーローインタビューのあと、Twitterの写真やメディアの撮影を一通り終えてお立ち台を下りると、すぐそばで中澤ちゃんが座り込んでいる。



中島｢中澤ちゃん、どうしたと？｣


｢あ、中島選手！何だか今日は初めてのことだらけで、全部終わってホッとしたら力抜けちゃって…。｣


中島｢緊張しすぎだよ(笑)｣


｢仕方ないじゃないですか！レポートとかもお昼に急にやってくれって言われたんですよ？｣


中島｢あはは、ごめんごめん(笑)じゃあさ、今日は中澤ちゃんの初ヒーローインタビュー祝いしよっか？｣


｢えっ…？｣


中島｢昨日の今日だけど、これからまたメシ行こうよ。｣


｢え、でも昨日もごちそうになったのに…。｣


中島｢いいんだよお祝いだから。もちろん中澤ちゃんがよかったらだけど。｣


｢私の方は全然ＯＫです！どうせなら今日は中島選手のヒーロー祝いも兼ねましょ？｣


中島｢それいいね！じゃああとでね。｣



気付いたら中澤ちゃんのことを誘っていた。何だろう…中澤ちゃんってほっとけない雰囲気があるんだよな。



ドーム内を一周して、足早に裏へ戻る。取材を少し受けて、それからしっかりシャワーを浴びて、ロッカールームを出た。マスコミの中にいた中澤ちゃんに目で合図を送り、駐車場まで誘導した。



中島｢待ったでしょ？ごめんね。｣


｢いいえ！私もインタビュー取りとかしてたんで。｣


中島｢仕事の方は大丈夫？｣


｢監督が最後だったので、もう終わりました。｣


中島｢じゃ行こっか。｣


｢はい！｣



中澤ちゃんがシートベルトを締めたのを確認してハンドルを握る。今日はどこへ連れて行こうかな…？

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