第25話 ページ26
次の日。
私は少し早めに家を出た。
早く知りたい、早く確認したいという気持ちが抑えられない。
早めに行ったところで家の前で待つだけなのに...
案の定早めに山田家に着いてしまった私は、家の近くをぐるぐるとまわっていた。
...一体どう話を切り出そうか。
どう訊けばいいのだろうか。
凜は本当はあなたがたのお子さんではないのではないですか。なんて聞けるわけがない。
家では本当は凜はママと呼んでいるんですか、と聞くか
それでは本題に入った時に回りくどいと思われるだろうか。
話したい、知りたい、が、話し出しがわからない。
「あぁ...こういう時にコミュニケーション能力が高ければな...」
そう呟いてはぁ、とため息をつき、歩く足を止めた。
すると...
「あれ、君は確か...」
聞き覚えのある声がして、私は下げていた顔を上げた。
そして目に入ったのは...
「凜...の、お父さん...?」
私が小さな声でそういうと、目の前の人物はにこっと優しく笑って近づいてきた。
「やっぱり。春美ちゃんだよね。お久しぶり。今日は10時って聞いてたけど...早めに着いちゃったのかな。」
お父さんに会って早々完全に見破られ、私は苦笑する。
「そうなんです...だからこの辺をぶらぶらと。お父様は何をしてらっしゃったのですか?」
私がそう聞くと、お父さんは肩にかかったタオルで額を拭った。
彼の顔は汗が滲んでいて、体も引き締まっている。いつもこの辺で運動でもしているのだろうか。
「僕はいつもこの辺りをジョギングしていてね...ついこの間まではそんな元気なかったんだけど、最近また再開したんだ。」
そう言って笑う優しい彼の笑顔に、凜の面影が重なった。
似ている...とは思わない。でも、彼の優しさやおおらかさを見て育ったんだなと思った。
私が何も言わずに笑って返すと、凜のお父さんはこちらに近づきながら口を開いた。
「確かもううちの準備は出来ているはずだよ。外は暑いし、時間早いけどもううちに入ったらどうかな。」
「え...いいのですか。」
凜が似た優しさに思わず甘えそうになる。
ありがとうございます、とあっさり受け入れようとした自分を必死に制止し、いいのですかと聞いた。
「もちろん。この辺を歩いてたって何もいいものないでしょ?熱中症にでもなったら大変だし、どうぞどうぞ。」
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fruit(プロフ) - 鳥の子さん» うわぁぁぁぁ嬉しいお言葉ありがとうございます!!そして読みに来てくださってありがとうございました!!自分の作品をこんなに好きって言って貰えるとすごい嬉しいのですね...いますごくテンション上がってます笑コメントもしてくださってありがとうございました!! (2020年1月26日 0時) (
レス) id: dc8b637267 (このIDを非表示/違反報告)
鳥の子(プロフ) - 一通り読んで参りました……!好き……。余りにもLOVE過ぎて……。もう説明文の所から夢主ちゃんの覚悟が伝わってきて、けれど最終的には後悔してしまうのだろうな(覚悟ほしていたけれど)とか思っちゃうとLOVE……。更新頑張られてください!! (2020年1月18日 17時) (レス) id: fababa1230 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 凛奈さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!!凛奈様のような読者様がいらっしゃるので頑張れるわたくしです。これからもどうぞよろしくお願い致します!! (2019年5月28日 17時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
凛奈(プロフ) - 更新楽しみにしてます！すんごい面白いし、好きです！！ (2019年5月28日 6時) (レス) id: 225bb681ca (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 花風雪 サブありさん» うわぁぁ嬉しいコメント!!!読んでくださって本当にありがとうございます!!!今はテスト前で少し更新をお休みしていますが、来週からまた再開します!まだまだ続きますよ〜!?これからもよろしくお願いいたします!!! (2019年5月26日 7時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fruit | 作成日時：2019年3月4日 22時
