第51話 ページ10
No side
「国っ・・・？」
彼女はミオを嘲るように笑った。
ミオは語気をつよめた。
「しらばっくれんな。気づいてんだろ？」
「なにを?」
動揺している。
ミオが動揺させている。
「近いうちに国が動く。その原動力がリベラであること。」
「黙って！！！！」
「レナっ」
突然叫んだレナに、ミオはなだめるように返した。
「あんたは危険すぎる。これ以上調べないで。あまりにもリベラがかわいそう...」
ミオはすぐに答えた。
「かわいそう？これが真実なんだ。いつか明かされる日が来るんだ。だったら、秘密の扉をこじ開けてでもきっかけを作ってやるしかないだろ？」
「ミオ・・・。」
レナが落ち着いた事を確認してミオは続けた。
「レナ。腹をくくれ。」
「・・・できない。そんなこと、私には」
「だったら俺が背中を押してやる。」
踏ん切りのつかないレナをなだめるように、ミオは言った。
レナはこんなこと言われたのが初めてで、驚いた顔をしている。
「レナは1人じゃないってことだ。俺じゃなくてもいいだろ？故郷には支えてくれる人がたくさんいるはずだ。」
レナは黙ったままだった。
「今は俺が一緒にいてやる。いいだろ？」
レナは静かに首を縦に振った。
ゆっくりと目を閉じて、
その目の端には、涙がたまっていた。
「俺の推理は・・・リベラが」
2人以外誰もいない静かな空に
ミオの声が響く。
「リベラが、アリナレオンバートの非公開王女であること。」
レナはその言葉を聞くや否や
大声で泣き始めた。
ミオは座ろう、と言って近くの公園にレナを連れていった。
座らせて落ち着かせようとしたが、レナはずっと泣いている。
ミオはただそれをじっと見守るしかできなかった。
「グスッ・・・うっ」
「レナ...あんまり泣くな。俺らが2人でここにいることがばれたら、勘違いされるぞ。」
「勘違い・・・？」
不思議そうな顔をするレナに、ミオはニヤッと笑った。
「俺とお前が恋人だとな。」
「いやだ」
あまりにも早い返答に、ミオは顔を歪めた。
「即答だなぁ・・・。凹むぞ。」
「・・・どうせ、リベラにしか興味ないくせに」
レナは涙を押し殺して震えた声で言った。
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fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (
レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです！！！！書き方教えて頂きたいくらいです！！ (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます！とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fruit | 作成日時：2016年8月11日 0時
