第85話 ページ46
リベラside
何も見えないから、みんながどういう顔をしているのかはわからない。
でも、きっと悲しい顔をしている。
そんな顔、させたくない。
させたくないのに、自分の感情ばかり前に出てきて、結局困らせる。
誰かの靴音が近づいたのもわかった。
顔も上げられないまま、ただ泣いていると、椅子を引く音が聞こえた。
するとすぐに、両肩に手を添えられた。
久しぶりに感じる人の温かさ。
やっと顔をあげることができた。
今私に触れているのはもちろん
リベラ「・・・キリト・・・」
キリト「椅子にお座りください。足が疲れましょう。」
リベラ「...ありがとう。」
言われるがままに座った。
肩にはタオルケットのようなものをかけられた。
暖かい。
優しい心が、暖かい。
傷ついた心が少しずつ癒えていくのがわかった。
涙はやっと止まった。
鼻をズズッとすすって再び顔をあげると、目の前にキリトがいた。
リベラ「キリト・・・」
キリト「リベラ様。お聞きください。私がリベラ様にこの話を明かした理由です。」
リベラ「・・・。」
私は何も言わずに続きを促した。
すると、キリトは優しく笑ってゆっくりと話し始めた。
キリト「リニャーノ様は、あなたを守るために、わざわざアリオンまでいらっしゃいました。呪文だって、残していってくださいました。意味は違えど、ラサゴベア様も、リベラ様を必要とされていました。そしてなにより、今リベラ様やマナ様がお元気なのは、レナ様とミオ様のおかげです。」
リベラ「え・・・？」
私が思わず声を漏らすと、キリトは優しい笑顔のままルナナの方を向いた。
それに気づいたルナナは、はい...と慌てて言った。
ルナナ「私がミオ様とレナ様にお会いした時、【魔法をかけとくから】と言って、私の額に魔法をかけてくださったんです。」
そうだったんだ...
私は2人に、助けられた...。
キリト「ルナナも、ラフも、マナ様も・・・私も、リベラ様が必要で、大切です。」
そこまで言って、キリトは言葉を止めた。
そして私としっかり目をあわせると、満面の笑みで言った。
キリト「リベラ様は・・・生きることにこそ、価値があるんですよ。」
リベラ「っ・・・」
せっかく止めた涙が、また溢れてきた。
リベラ「・・・っ・・・ぅぅ・・・」
みんな、欲しい言葉をくれる。
優しく、優しく包んでくれる。
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fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (
レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです！！！！書き方教えて頂きたいくらいです！！ (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます！とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fruit | 作成日時：2016年8月11日 0時
