竈門家長女は出来損ない 【鬼滅の刃】

壱ノ型 ページ3

私は生まれつき、身体がとても弱かった。


季節の変わり目には必ず風邪をひき、酷い時には吐血する事さえあった。


そんな自分が嫌で嫌で仕方ない。


「A、無理はしないでくれ。」


双子の兄である炭治郎は私を気遣ってくれる。


でも私にはむしろ、その優しさがつらかった。


「お姉ちゃん、絶対に無理しちゃダメだよ。これは私がやるから休んでて！」


家事、炊事や洗濯などはほとんど禰豆子や炭治郎、妹や弟達がやってくれた。


長女なのに。


皆を助けるどころか、負担になってる。


自己嫌悪に陥ることは少なくは…否、かなりあった。


この身体のせいで、と何回…何千回と思った。


私が生まれてこなければ皆、少しだけ楽になれたかもしれないのに。


一度、そうポツリと禰豆子の前で思わず呟いてしまったことがある。


すると＿＿＿＿


「私はお姉ちゃんの事、迷惑なんて、生まれてこなければなんて思った事ない。


いつも私達の事ばかり心配して、少しは自分の身体も労ってあげてよ！」


と、デコピンされて怒られてしまった。


「…そっか、ごめんね。長女なのに。」


そう言えば禰豆子は悲しげな顔をしたけれど、後は何も言わなかった。


「…か、ふっ……おぇ…」


弱い身体、


「A…っ！平気か！？つらいなら医者に…」


迷惑ばかりかけて


「いいから。平気なの、いつもの事じゃない。…それよりも炭治郎、下の子達にたくさん食べさせてあげたいんだあ。禰豆子の着物も買ってあげなきゃだし…だから本当に私はへっちゃら！」


だから、嘘の笑顔を見せて。


少しでも安心させられるように。


役に立てない私に、


出来損ないに、


出来る事を＿＿＿＿

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