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居間に置き手紙をして出ては来たが
特に行きたい場所もない。
あの疲れた様子じゃ夕刻まで実弥さんは起きる事もないだろう。
さて、
どこで時間を潰すか。
そんな事を考えながらも、たまには実弥さんにお店のおはぎでも買って帰ろうか...
結局こんな状態でも頭の中から実弥さんを消すことが出来ず、私は甘味屋へと足を向ける事にした。
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途中、細々とした買い足しをしながら歩いていれば色とりどりの装飾品のお店の前で足を止めた。
私は何一つ煌びやかな飾りも
可愛らしい髪飾りもつけていない。
こんな飾りっ気もなく女の子らしさもない私に実弥さんはいよいよ愛想を尽かせてしまったのだろうか....
実弥さんは男らしいから隣に居る女性は可愛らしい人がお似合いなのかもしれない。それなら私は.....
再び気分が急降下してしまった私は頭をぶんぶんと横に振りその思考は振り飛ばす。
手に取っていた髪飾りを棚に戻し、甘味屋へと足を向けていれば目の前の定食屋から仲睦まじい二人が出てきた。
「あら？Aちゃんじゃない！」
甘露寺さんと蛇柱の伊黒様だった。
二人もこれから甘味屋へ行くらしく道中ご一緒させて頂いていれば、中々気分が上昇しない私に甘露寺さんは気付いた様で。
甘味屋の店先で少しばかり
私の心情をお話した。
「面倒臭い女だな。」
「ちょっと....伊黒さん！」
心底面倒臭そうに一刀両断された私は
何も反論出来なかった。
そうだ。確かに私は面倒臭い。
「先日の不死川の任務報告はまだ受けていないが、不死川の帰還が遅くなるほど相手はしぶとかったと言う訳だ。飯も食わずそのまま寝込むと言う事は本来なら近場の藤の花の家紋の家で休息をとるよう言われた筈だ。それをせずにお前が待つ屋敷に帰還した不死川の心情をなぜお前は汲んでやらないんだ。」
『.........』
「そうね、不死川さんはあまり疲れを見せる事は私達にもしないから、よっぽど疲れていたのかもしれないわね。」
たしかに実弥さんが疲れたから寝かせてくれだなんて、私に言ってきた事はない。
そんな思いまでして帰還してくれた人に私は何て気苦労をさせてしまったんだ。
数刻前の自分の行いに
自己嫌悪が募るばかりだ。
『すみません、私....帰ります。』
持ち帰りの包み片手に
お二人には深々と頭を下げた。
「不死川の
伊黒さんの言葉が
胸に突き刺さった。
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