Episode 004:お手並み拝見ときたもんだ ページ7
「夢野くんはみなさんをビシバシと叩き直すためにやって来た特別トレーナーです。場合によっては試合に出てもらうことになるかもしれませんねぇ〜」
「アジア予選まではしっかり見守るよ。……まだ君たちに行けるか分からないけどね」
趙金雲の言葉の補足として、どこか小馬鹿にするように喋るA。
「だが、お前はアメリカのチームなんだろ?日本人とはいえどうして敵チームを助けようとするんだ?」
万作がベルガモと同じように問いかける。
「か弱いチームをそのままいたぶるなんてつまらないだろ。どうせなら強くしてから戦いたいからさ!」
Aは目をカッと見開いて堂々と言ってみせた。
自分の相手になるまでの実力を蓄えさせておき、後々潰す。これがAのやり方である。
「か弱いだとぉ!?黙って聞いてりゃ舐めた口聞きやがって!!」
その言葉は、案の定吉良や灰崎のようなプライドの高い選手の逆鱗に触れた。
Aの強さを知らない彼らは無名選手であると思い込んでいるため、なお怒っている。
「おいおい。それじゃあ君たちは自分が強いと思っているのかい?」
「そ、それは……」
一同はクラリオや無敵ヶ原に惨敗したことを思い出す。
──「強い」と胸を張って言えるほどの力はない。
「……君たちが十分強ければ俺が派遣されるわけがないだろ。今の君たちに必要なのは、自分の実力をその身で思い知ることと、そのすぐ逆上してしまうようなブレブレのメンタルを鍛えることだ」
Aは近くにあったボールを蹴り上げ、器用にリフティングを始める。
「さてさて、まずはお手並み拝見といこうじゃないか。クラリオから聞いたよ、全員でかかって負けたんだって?」
彼はあくまで日本代表を罵倒しているのではない。
これも彼の指導の内だ。
「──同じ条件だ。同じ条件で俺と勝負をしろ、イナズマジャパン」
立ち塞がる総勢17名の日本代表選手の前に、ボールを踏みつけて立つA。
「豪炎寺くんがいないのが悔やまれるねぇ」
Aは天井を仰ぎながらしみじみと呟いた。
「ま、いてもいなくても結果は変わらんがね」
そして視線を足元に戻し、余裕そうにこう付け足す。
「気に食わねぇな……」
「落ち着け灰崎」
鬼道はまっすぐAを見る。
「奴は只者じゃない」
間もなくしてホイッスルが鳴り響く。
「悪く思わないでくれよ」
瞬間、Aは電光石火の如く敵陣を切り込む。当然相手はついていけない。
「速いっ!?」
彼はニヤリと笑う。
「──仕方ない、これを使うか」
Episode 005:ふんぐるいふんぐるい〜な必殺技→←Episode 003:はじめまして、夢野です
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いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» 今見ました!申し訳ありません、なぜか夢野くんのイラストは表示されず見れませんでした…(;_;)でも琴平くんは見れました!やばいです!かっこいいい!!!まさか琴平も描いて頂けるとは感激です!!ありがとうございました!! (2018年11月13日 19時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - 描けました!是非っ!! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» ま、マジですかっ?!お恥ずかしい…では、喜んで描かせていただきますね! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» ええええ!?本当ですか!?嬉しいです!実は以前ハニトンさんのイラスト集を拝見させて頂いておりまして、上手だなぁ…と密かに思ってたんです!ぜひぜひ描いてください、こちらこそお願いします! (2018年11月13日 18時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» 一応wまたまた質問なのですがいづう様の作品の男主さんを描かせていただいてもよろしいでしょうか…?イケメンすぎてほんと辛いんす! (2018年11月13日 17時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
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