Episode 003:はじめまして、夢野です ページ6
「みなさ〜ん!ご注目!今日は特別ゲストをご招待いたしましたよぉ〜」
翌朝。監督・趙金雲はクラリオの時のように、メンバー一同をグラウンドに呼んだ。
「またかよ……」
吉良は面倒臭そうに呟く。
「そうです、またなんです!しかし今回は『単なるゲスト』じゃあ、あ〜りませんよぉ〜?」
怪しげな表情で選手の面々を見る趙金雲。
「ご紹介しましょう!彼こそがしばらくの間みなさんを鍛えてくださる、アメリカからの……って」
途中まで話して気づいた。
「いない!?」
そう、ここで紹介されるはずのAの姿がどこにもないのだ。
「監督、どういう事ですか?」
氷浦が怪訝な表情で尋ねる。
「おっかしいですねェ〜……夢野くんが待っているはずなのに……」
「すみませ〜ん、ちょっと時間オーバーしちゃったかな?」
と、そこへ日本代表にとっては聞き慣れない少年の声が響いた。
声のした入り口の方向を振り返る一同。
そこには釣竿を背負いバケツを引っさげたAが、にこやかに歩いて来ていた。
「湖で釣りしてたら時間忘れちゃって。へへっ」
少しも悪びれるそぶりを見せずに頭をかくA。
「おお!来てくれましたか!まぁ、初回ですし多少の遅刻は水に流しましょうかねぇ、湖だけに!」
「そうしてくださいな」
Aはどこかはにかんだような笑顔で言った。
「では、ゴホン!え〜、改めてご注目!彼はイナズマジャパンをさらに強くするために、アメリカからはるばる来てくださった助っ人で〜す!」
「アメリカ」という単語に案の定ざわつく一同。
「『カンザスシティ・チャリオッツ』所属、夢野Aです。多分短い間になると思うけど、よろしく頼むよ、日本のみなさん」
お決まりの不敵な笑みで自己紹介をしたA。
しかしその名前を聞いた途端、一同の頭上にはハテナマークが浮かび上がる。
「夢野……聞いたことあるか?」
「いや、ありませんね」
そのようなヒソヒソ話を耳にしたAは大きくため息をつき、
「はぁ。つくづく日本の狭さには驚かされるよ」
と、笑顔を貼り付けたまま言った。すると灰崎が途端に眉をしかめる。
「バカにしてんのか?」
「いや、予想通りの反応といったところだ」
「おま……!」
「やめろ灰崎!それより……助っ人ってことは、選手なの?」
灰崎を制止させた稲森が尋ねる。
「選手として動かすもよし。マネージャー業をさせるもよし。全ては監督次第さ」
それを聞いた趙金雲は高笑いを響かせるのであった。
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いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» 今見ました!申し訳ありません、なぜか夢野くんのイラストは表示されず見れませんでした…(;_;)でも琴平くんは見れました!やばいです!かっこいいい!!!まさか琴平も描いて頂けるとは感激です!!ありがとうございました!! (2018年11月13日 19時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - 描けました!是非っ!! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» ま、マジですかっ?!お恥ずかしい…では、喜んで描かせていただきますね! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» ええええ!?本当ですか!?嬉しいです!実は以前ハニトンさんのイラスト集を拝見させて頂いておりまして、上手だなぁ…と密かに思ってたんです!ぜひぜひ描いてください、こちらこそお願いします! (2018年11月13日 18時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» 一応wまたまた質問なのですがいづう様の作品の男主さんを描かせていただいてもよろしいでしょうか…?イケメンすぎてほんと辛いんす! (2018年11月13日 17時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
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