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58…値札 ページ8

紫がかった黒等、ぴくとは紫系統の物を選ぶ。

やはりショッピに似た見た目のせいか。はたまたAの服やヘルメットのせいか。


「Aさんって、本とか読みます?」


Aの方には目を向けず、黒と紫の本棚を見ながらぴくとは言う。


「そっすね……まぁ、人並みには読みますよ。時間があるときとか。」


Aは書物等は嫌いではない。

森に居たとき、畑仕事などを終えた後の隙間時間等は暇で、本を読んでいたのだ。

特に好き好んで読んでいたのが、我々国の隣の国、サイリム合衆国の本だ。

サイリム合衆国では研究が盛んで、その研究資料が中々に面白い。

だからと言ってAはサイリム合衆国を好いている訳ではない。むしろ嫌いなのだ。


「Aさん、これとかどうすか?」

「あ、ええですね。」


Aの思考を立ち切って、話しかけてきたぴくとの視線の先には、先程見ていた本棚があった。

そしてぴくとは、あれもこれもと家具を見せてくる。

センスは悪くなく、普通に格好良いものばかりである。

本棚、コート掛け、小物棚にお茶が出来そうなテーブルと椅子。

大きく、多いが、おそらくこれらの家具もあの部屋ならすっぽりと入るだろう。そのくらい広いのだ。


「じゃあぴくとさん。俺、払ってきます。」

「いやいやいや、僕の方が先輩なんですし入軍祝いで奢りますよ!!」


軍曹の元へ向かうAを止めて、ぴくとはそう言った。

するとAは振り返り、無言で家具に付いてる値札を見せる。


「んな高いもん奢らせるほど、俺は鬼じゃないっすよ。」


Aは、呆然としているぴくとを背に、再び軍曹の元へとむかった。

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りとん - 5年も経ってますがもしまだ活動されているなら続きが読みたいです! (4月4日 1時) (レス) @page20 id: 5bfdfa64da (このIDを非表示/違反報告)
あっち(プロフ) - 遅いかもしれませんが一つ目の方がいいです!個人的にめっちゃ好きなりまして終わりなんてもったいない!くらいですwこれからも頑張ってください体にはご注意を(*´∇`*) (2021年12月8日 2時) (レス) @page20 id: 3049e8ef9f (このIDを非表示/違反報告)
アカナツ - コメント失礼します!一つ目がいいです!頑張ってください!! (2020年8月11日 16時) (レス) id: 1ec2912abb (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 個人的には1つ目がいいなと思います!すっげぇこの続きが気になりますっ!! (2020年5月14日 16時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 初コメ失礼します!私は1つ目がいいです (2020年5月2日 1時) (レス) id: a277319c5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ダント・ルーネ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年5月25日 23時

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