１８４、三人を乗せて飛行船は飛ぶ ページ25
──時はまた少し遡って。
「困った、あいつ完全に仕事モードに入っとるわ」
「それは非常に不味いのぉ、なんとかならんのか」
「ならんからこうして直で飛行船飛ばしてるんだろうが。はー、やっぱ携帯機種変させときゃよかったわい」
消音通信が可能なやつをミルキに作らせようかの。そう呟いて頭を垂れる老人はゼノ・ゾルディックという。ゾルディック家先代当主にして、今なお現役と呼ぶに相応しい暗殺者だ。
その向かいに座り、悩ましげな彼と言葉を交わしながら湯飲みを啜る老人はアイザック・ネテロ。齢百を越え、今なお彼を超える者はいないと言わしめるハンター協会現会長である。
「ねえ爺ちゃん、なんでそいつがいるの。これ仕事じゃないの？」
ゆったりとしたソファーに寝そべり不機嫌そうに声をあげた青年はイルミ・ゾルディック。ゼノの孫であり、ゾルディック兄弟の長男で稼ぎ頭だ。
彼はネテロに視線を送ると、再びゼノに目をやる。
「オレ今日休みのはずだよね。なんで連れ出されたのかわかんないんだけど。飛行船の中で説明してくれるって言ったじゃん、なにお茶飲んでるの」
「なんじゃ説明せんで連れてきたのか、孫に嫌われるぞい」
「これから伝えるところじゃ。家庭のことにまで口を挟むな」
じゃれあう暇があったら説明してよと言わんばかりにイルミの眉が寄る。それを見たゼノが溜め息をついて、空気を一変させると重々しく言った。
「……お前が嫁にすると言って連れてきた娘のことだ」
「ソフィアのこと？」
不機嫌な様子が、きょとんとしたものへと変わる。予想外だったらしい、こてりと首まで傾げた。
そしてネテロに再度視線をやる。
「ソフィアのことで、なんでこいつがいるの？」
「お前さん失礼なやつじゃのぉ。わしゃあれじゃぞ、ソフィアの名付け親で育ての親だぞ」
「……わかった。態度は改めるよお義父さん」
「やめいイルミ本気でまじ。こいつが義息子になるとか勘弁だから」
「二人して失礼じゃな？ わしも自分の年の半分しかない奴の義息子なんかにはなりたくないわい」
とはいうものの、やはりじゃれあうような言葉の応酬を繰り広げる二人は仲が良いようにも見える。それを指摘すれば、否定しそうなものだが。
それはともかくとネテロが咳払いをし、ゼノも同じく表情を改める。二人の雰囲気の変化を感じ取り、イルミもまた体を起こすとソファーに座り直した。
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
