秘密の存在４【H×H】 (ページ8)

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１２８、彼らの名を知るページ8

【ソフィア side】

意識が浮上してきたタイミングで誰かの気配を感じ、目を開いてみればピンクに近い髪色の女の子がいた。勝ち気そうな彼女は私と視線が合うと瞳を丸くさせた。

「ええと……おはよう？」

「……おはよ。アタシはマチ」

「私はソフィアというの」

「知ってる。アンタの服調達しに行く役目頼まれてるんだよね、ちょっとサイズ測るから起きて」

そういえば着替えがないのだったと、寝起きの頭で思い出す。ドレスのままだと色々と動きづらいし、とても助かる。

「ありがとう、マチ」

「礼なら団長に言いな。調達を命じたのは団長なんだから」

「行くのは貴女なのでしょう？勿論彼にもお礼を言うけれど、貴女にも言いたいの」

体を起こしてマチにあちこちのサイズを測ってもらいながら、お礼を言えば、彼女は一瞬手を止めた。
すぐに再び動き出したが、彼女の表情はどこかむっとしている。何か気に障ることを言ってしまっただろうか。内心で首を傾げるけれど、お礼を言ったくらいしか思い当たらない。

「サイズ測り終わったよ。三日分用意するけど、なんか希望ある？」

「動きやすいブーツとかがあると嬉しいわ。衣服はマチのセンスに任せるわね」

「わかった。そんじゃアタシは行くから、アンタも広間行きな。団長が待ってる」

室内を見渡せば、確かにクロロの姿は見えない。どうやら私は少し長く寝ていたようだ。
マチに続いてやや瓦礫まみれの廊下を歩き、太陽の光が降り注ぐ広間に着く。昨夜はわからなかったが、よくよく見れば天井が所々穴があいていた。

「起きたか」

思ったより近い声に横を振り向けば、クロロが私の髪を手に取り光に透かしてしげしげと眺めていた。
相も変わらずオールバックの髪で黒いファーコートを纏っており、異彩を放つ出で立ちだ。初対面の時とは違って中に服は着てるけど。

「おはよう、ええと、クロロと呼べば良いのかしら。それとも団長？」

「お前は団員じゃないからクロロでいい。来い、今居る団員を紹介する」

手を引かれて広間の真ん中に立てば、昨夜より明るいから室内に誰がいるかがよく見えた。影にいたり集まってたりとそれぞれバラバラではあったけど、クロロが真ん中に立ったのと同時に彼らは視線を此方に向けた。

順番にクロロが紹介していき、それぞれの顔と名前を記憶する。金髪の彼はやはりセイが偽名で、シャルナークが本名らしかった。