143、応用技を教わる ページ23
「見せてくれないか」
「嫌」
間髪入れず反射的に答える。こればっかりは約束だからしょうがない。
……というよりは、約束じゃなくてもあまりする気になれない。周りへの影響力が半端ではないのだ。
「まあ、わかっていたが強情だな。だが応用技には練を使用するものもあるんだぞ」
「どんなものなのか教えてくれればいいわ」
そっぽを向いて意思を示せば、クロロは諦めたように溜め息をついた。
「ともかく、どういうものなのかだけ教えてやるが戦闘系の応用技はほぼ練を使うからな」
そう言うと彼は、練をしたままオーラだけを動かしていく。体全体にオーラを残しているものの、大半のオーラが手元に集まっている。
「”凝”。見ての通り完全にではないが体の一部に練で増幅させたオーラを集中させるものだ。目に集中させることでこの後説明する応用技を見破ることが出来る」
頷けば、続いて彼は手元に集めたオーラを活性化させて一冊の本を具現化させた。
具現化系なのか。そう思う前にクロロの手元にあったはずの本がオーラごと消えていく。
「触れてみろ」
「ええ。……!」
本が、ある。気配もオーラも感じないのに、確かにここにある。
「絶の応用技、隠すと書いて”隠”だ。オーラの気配を隠し視認出来ぬようにする技だな、具現化した物質もこうやって視認不可になる。ただし先程も言ったが、凝ならば見破れる。油断している相手のみにしか通用しない」
目にオーラを集めてその部分だけ練を使うように活性化させる。すると、クロロの持っている本が徐々に見えるようになった。
じっとその状態を維持して感覚を覚えていると、クロロが本を消した。
「本当に底無しの才能だな。練は見せたくないんじゃなかったのか?」
「やってみたら出来たのよ……練と凝は別物でしょう」
「そうだがな。次だが、まあこれは今俺がやっている。”堅”という」
クロロはポケットに手を突っ込んでただ立っている。特段変化は見られない。強いて言うならば練を持続させているくらいだけど。
「……もしかして、練の状態をを維持すること?」
「ご名答。同等の実力を持つ能力者相手なら戦闘時はこれの維持できる時間が勝敗を分ける要因の一つになる」
「練の状態だと身体が強化される上にオーラの攻防力も増大するから。よね?」
「教えてもらっていたか」
練の説明を受けたときに一緒に説明してもらったと伝えれば、案外あいつも真面目に教えるんだなとクロロに驚かれた。
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作者名:クロ | 作成日時:2019年6月1日 15時