１３５、要求の内容は ページ15
「お前がワタシを好きにするて何する気ね」
「え？ ん〜」
言い出したは良いものの考えてなかった。言葉に詰まる私に、フェイタンが額をさすって立ち上がりながら畳み掛ける。
「第一ワタシ腕なまてるよ、本気じゃなかたね」
「それはお互い様だろ〜フェイ、こいつは練使ってなかったんだぜ」
側に来たノブナガがぽんぽんと私の頭を撫でながら言う。ウボォーギンもだけど、他人の頭を撫でるのが好きな人たちなのかしら。
眉間にグッとシワを寄せて、けれど何も言えなくなってしまったフェイタンにクロロが口を開いた。
「今回は諦めろ。そうだ、念をフェイタンが教えるというのはどうだ？ 聞いたところ、基礎しか教えてもらってないみたいだから」
「あ、それは駄目よ」
すっぱり却下するとクロロが怪訝な表情になった。
「念は貴方に教えてもらうわ。私の知らない間に許可を出してたんだもの、それくらい良いでしょう？」
「……仕方ない、いいだろう」
「それならフェイには何してもらう気なんだ？」
フィンクスの問いかけに私はまた首を捻る。どうしよう、してもらいたい事があるわけでもない。
何が出来るかも知らないから、要求する内容に困る。
「あ、私の手合わせの相手をしてもらうというのは？」
「手合わせに勝ってまた手合わせしたいとかどこのバトルジャンキーだよ」
「ウボォーみたいだな！」
「違いねえ」
「で、実際のところ理由はどうなの？」
戦闘狂というわけではないのだけどと苦笑していたら、大笑いする男性二人を横目にシャルナークが聞いてきた。
「念を覚えても実戦で経験を積まなきゃいけないでしょう？ フェイタンはとっても速いから相手にちょうど良いかなって」
「嫌よ」
フェイタンの言葉にぴたりと皆が停止する。彼は地面に倒れたことでマントについた土埃を払うと、鋭い視線を向けてきた。
「手合わせの相手してやる義理ないね。そいつ団員違う、いつ敵なるかわかんないよ」
「それもそうだがなぁ。そもそも勝ったら好きにするって先に言い出したのはフェイの方だろ？ お前はこいつが嫌って言ったら拷問を取り止めにするか？」
「うるさいよ、だたらワタシじゃなくお前らが相手すればいいね」
「おい、フェイ！！」
傘を拾うと、彼はサッと森の奥に姿を消してしまった。絶をしたためにどこへ行ったのかすら感じ取れなくなる。
木々の向こうに視線を向けて、フィンクスががしがしと頭を掻いた。
「拠点帰るか……」
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作者名：クロ | 作成日時：2019年6月1日 15時
