８５、不安は安堵に ページ5
だから、怖がらなくてもいいよ◇と、ヒソカが静かな笑みで言う。
どくんと心臓が跳ねた。図星だった。私は確かにヒソカの言う通り、恐れていた。
折角仲良くなれた彼らに、拒絶されることを。
「どうしてわかったの？」
「奇術師に不可能はないの◇」
得意気に微笑むヒソカに、はぐらかされた気分になる。それでも今までと変わらずに接してくれて嬉しい気持ちが勝って、胸の奥から溢れる気持ちに任せて笑う。
イルミが腕を解いて私の頭を撫でてきた。
「ありがとう、二人とも」
「そいつらだけじゃねーぜ」
ヒソカが来た方向とは別の通路から、ハンゾーが現れる。話は聞かせて貰った、とからりとした笑みを浮かべて彼は言った。
「ソフィア、ボドロから伝言だ。”貴殿には命を救われた。この先何があるかもわからぬ身ではあるが、この恩に報いるため鍛練を積んでいつか貴殿の力となろう”だとよ」
私が庇ったボドロも、ハンターとなったらしい。キルアの攻撃が致命傷のものだったことから、反則負けということにはならずに済んだのだとか。
「俺も、お前が何であれ一度は同じ釜の飯を食った仲だ。生きてて良かったと思ってる」
歩み寄ってきて、一瞬ヒソカとイルミに対して警戒するような視線を向けたハンゾーは、懐から小さな紙を取り出した。
「何かあったら連絡してくれ。力になるぜ」
受け取ったそれを見れば、ハンゾーの連絡先が書いてあった。……隠密集団の末裔なのに、こんなの持ってて大丈夫かしら。
じゃあな、と言って去っていく彼の背を見送りながら、そう思った。
「それで、ソフィアはこれからどうするんだい？◇」
「家に来るよね。嫁候補だって親に紹介したいし」
ヒソカの問いかけの直後に、イルミが言う。嫁候補と聞いて、そういえば聞きたかったことがあったのを思い出した。
「イルミ、私が貴方の嫁になったとして」
ヒソカが一瞬殺気を放つ。思わず口を閉ざせば、イルミがヒソカを睨んだ。
「ごめん、続けて◆」
「……なったとして、私は友達は作れないの？」
「うん、うちは付き合いとかあるけどあくまでギブアンドテイク。友達は作れない」
ほぼ即答で答えられた。それがどうかした？と首を傾げるイルミを見上げる。
「なら、嫁候補にはならないわよ」
心なしかイルミの眉が下がった気がする。微かにしか変化がないから、気がするだけだけど。
「でも、貴方の家には行くわ。キルアに会いたいの」
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
