１２０、積み重なる歪 ページ40
【ソフィア side】
「そろそろ起きて、会場に着くよ」
閉じていた意識に語りかける声がして、そこから徐々に覚醒していく。
パッと瞼を開ければすっかり暗くなっていて、どうやら案外長く眠っていたようだった。
「ありがとう、目が覚めたわ」
「ううん、なんとかならないかって言ったのこっちだしね。わー本当に普通の目に戻ってる！」
目を覗き込もうとぐっと近付くセイ。少し近いなと思いながら見つめ返していたら、嬉しそうな表情からきょとんとした表情になって、しまいには狼狽し頬を赤く染めた。
「え、どうしたの」
「……いや、うん。ちょっと墓穴掘っちゃったなって」
何のことかわからず首を傾げるのと、車が停止したのは同時だった。
外を見れば大きなビルが目の前にあり、人が大勢集まっておりドレス姿の女性とスーツ姿の男性が中に次々と入っていく。
「着いたよ、此処が会場だ」
頬の色はまだ少し赤いものの、表情を引き締めるとセイが先に外へ出る。
続いて外へ出れば涼しい空気が私の肌を撫でた。目覚めたばかりの体に心地良い。
「見送りありがとね、迎えは二時間後によろしく」
返事をしない運転手と、同じく此方を見ないフェイタン。どう考えても彼らが使用人や護衛のようには思えないのだけど。
セイの差し出す手に手を乗せ、先導されるがままにビルのエントランスホールへと足を進める。すると、さっと黒服の男がやってきた。
「お待ちください、招待状の提示をお願いします」
セイが胸ポケットからカードを取り出し、男に渡す。男はペンライトを取り出すとカードに光を当て、頷いてセイへ別のカードを差し出した。
「……確認いたしました。いらっしゃいませ。3階パーティーホールへどうぞ」
ちらっと見えたカードには、”美術展覧会”と書かれていたように見える。
本当に一瞬だったから、続きは読めなかった。セイに聞いてみたら答えてくれるかしら。
くいっと袖を引っ張れば、彼は柔和な笑顔で此方を見下ろしてくれた。
「セイ、今のは？」
「ちょっと色々事情があって。今は話せないんだ、パーティーが終わってからでいい？」
「……わかったわ」
「助かるよ」
どうも、複雑な事情が絡んでいるらしい。今話せないとなると、周囲の人に聞かれてはならない何かがあるようだ。
といっても受け取ったカードについて聞きたいだけなのだが、それ自体が不味いとなると。
元々知っている人物のみに招待状が配られていたのかもしれない──
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
