１１９、向かう途中で ページ39
【no side】
セイが獣の瞳はどうすることも出来ないのかと聞いたところ、ソフィアは正直に寝れば収まると答えた。
そこで着いた時に起こしてもらうことを条件に、彼女は今車内でぐっすりと眠っている。髪のセットが崩れるといけないので、セイの肩を借りて。
どこまでも無防備なソフィアの様子にセイはくつくつと笑った。
「悪い気はしないよね、こんな美人だとさ」
「本当に危機感ねーんだな……」
セイが店で電話をかけた相手と同じ声をした男──フィンクスは運転をしながらちらりとバックミラーを確認した。
すやすやと眠る様は一抹の警戒もない。念能力を習得しているにしても、これ程他人に対して警戒を見せないのは些か異常であると男たちは考えていた。男たちの出身が特殊であるからこそ、尚更に。
「フェイ、仕掛けてみて何かわかったか」
「またく反応見せなかたよ、弱いね」
「んなら非戦闘系ってことか、珍しい」
「回復用の念能力のおかげで誰かに秘匿されてたんじゃないかな、国の上層部とかに。脱走がバレて追われてたんじゃない？ その途中で団長に会って助けてもらったとか」
それなら怪我してても納得だしねと、話しながらセイは思考を回す。
「だが、これだけ無防備で危機感０なら団長が念を奪っててもおかしくねえだろ」
「そこなんだよねー。多分割りと厄介な制約ついてて、自分から見逃したけど後で考えて惜しくなったとかだと思うな。団長あれで面白いこと好きだからさ」
「……ヒソカをまだ旅団に置いてるの良い例ね」
「ほんとフェイタンはヒソカ嫌いだよねー」
憎々しげな低い掠れ声が、セイの発言が事実であることを物語っている。
フェイタンのヒソカに対する印象は読めない、ウザったい、ムカつくピエロである。団長がヒソカの行動を黙認する理由も面白がっているからだとわかってはいるのだが、それはそれとして嫌いだ。
何故あんな奴を旅団に置いておくのか、気が知れないとフェイタンは眉を寄せる。
気が知れないと言えばソフィアのこともだ。団長が探している女はどんなものかと仕掛けてみたものの、口は回る上に力は弱いときた。
「……気に入らないね」
「とりあえず団長がどうするかなんだよね。面白い女だとしか聞いてないし」
「ある意味面白いけどな、そこまでって程でもねぇ。やっぱ念目的じゃねぇか？」
黒塗りの高級車は走る。持ち主ではない男たちを乗せて。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
