１１１、問答の行方 ページ31
「イルミ。貴方はちゃんと自分の意思で私を殺そうとしてるの？」
「……そうだよ」
「嘘ね。その気ならさっき首を握り潰せたでしょう？」
彼の肯定をすっぱりと否定する。すると、イルミの殺気が爆発的に増大した。それに驚いた野性動物たちの鳴き声が夜空を震わせる。
「もう一度聞くわ。それは本当に貴方の意思？」
「闇人形に意思なんて関係ない。殺せと言われたら殺すだけ」
「つまり、貴方の意思じゃないのね」
「うるさい」
投げられた針を、防御せずに受ける。右腕と左腕の関節にそれぞれ刺さり、針で固定されて腕が曲げられなくなった。
「……なんで、避けなかったの」
「避けてほしかったの？」
「……っ、」
イルミがオーラを揺らし、直後に殺気を込めて練をした。何を思ったか、チラリと他の二人がイルミに視線を移す。
激しくオーラを発するその姿はまるで威嚇をしているようだ。これ以上何も言うな、踏み込むな、と。彼には悪いけどそれは聞いてあげられない。
「それにしても、急所に投げれば今なら殺せたのに」
「そうだね」
「貴方の意思で私を殺すと決めたんでしょう？」
「うん」
「それならば、ほら、どうぞ。そこの二人は気に食わないけど、貴方になら殺されても良いわよ。イルミの意思で殺してくれるのならね」
「死なないくせに」
「痛いことには痛いわね」
くすりと笑って言えば、イルミのオーラがまた揺らめいた。彼は今、何を思っているだろうか。
此方に警戒を向けながらゼノはじっとイルミを見つめ、もう片方の男は私を注意深く睨んで殺気を放っている。私も二人への警戒は怠っていない。
ゼノがシルバ、と呟いて、男がゼノの方を向く。成る程、イルミの父親はシルバというらしい。
彼がシルバを呼んだ理由はイルミだった。
イルミが、涙を流しているから。
「ねえ、これソフィアの能力？」
「さすがに感情を動かす能力なんて持ってないけれど」
「信用できない」
「殺してみたらわかるんじゃないかしら」
「────……ソフィア」
どこからか針を取り出して、イルミが構える。涙は止まったようだけど、痕が残っている。
なぁに、と答えれば、彼は殺気を出したまま言った。
「オレ達に殺されないで」
「ええ、それが貴方の本当の意思ならば」
本気で投げられた針を弾き──直後に飛びかかってきたイルミに手を振って、私は試しの門の外へと転移する。
沢山の気配が追っているのを感じて、すぐに私は走り出した。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
