８３、目が覚めて ページ3
【ソフィア side】
私は草原の中に立っている。どこまでも続く草原に、青い空。
ふと横を見れば、人混みがいた。その中に、ゴンやヒソカ達もいる。
「ゴン、」
「化け物」
そちらへ向かいかけた足を止める。皆が次々に口を開く。
「化け物と友達になんかならねーよ」
「キミが人間じゃないなんて思わなかった◇」
「獣を嫁になんてするわけないじゃん」
「お前は人間じゃない」
「獣は人間と混ざれない」
五月蝿い。耳を塞ぐ。声が近付く。五月蝿い五月蝿い五月蝿い。
ああ、獣と人が相容れないならば。誰も私を受け入れないのなら。
「全部殺してしまえばいい」
赤く染まった草原で、ほらね、と。涙を流す獣が笑った。
＊＊＊
目を開く。綺麗な天井を眺めた後、視線を横に移す。
そこにはネテロが相変わらず読めない表情で立っていて、その事が試験が終わったということを物語っていた。
「起きたかの」
「ええ。何日経ったの？」
「一日じゃ。お前さん、以前に比べると復帰が早くなっとらんか？」
「どこも欠損してないからじゃないかしら。邪魔もされなかったし」
「意識が落ちてから五分で蘇生は早すぎじゃろ。全快して目覚める時間も早すぎる」
目を見開く。確かに、治癒速度が早すぎる。此方に来て最初の頃は、一週間ずっと意識が寝ていたこともあったのに。
「成長でもしたのかしらね」
「お主にもわからんのに儂に聞くな。さて、眠っている間にハンターライセンスの授与と講習があっての。お主も生きてる以上は合格者、簡単に説明に来たわけじゃが」
ハンターライセンスを受け取り、説明を聞く。
何でも、持っているだけで大抵の公共の施設は無料で使用することができ、一般人は立ち入り禁止の区域の殆どに入ることが出来るなど、持っていることで優遇されることが多いのだとか。また、人生七回は遊べる価値があるそうだ。
そのためライセンス保持者を狙う者もいるらしい。
「ま、お主なら大丈夫じゃろ」
「そうね……」
ライセンスを眺める。これがあれば、遠くの大陸にも行ける。今まで身分証がなくて入れない場所の方が多かったのだ。
「じゃ、儂は仕事に戻る。お前さんが起きるのを待ってる者が幾人かおるから、着替えたらロビーに向かうと良いじゃろう」
「起きるのを待ってる？」
「そうじゃ。試験中、色んな人間と親睦を深めとったじゃろ」
仲は良くなったけど、待っている人がいるとは思わなかった。
……私は、異物だから。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
