９９、天敵再来の予感 ページ19
【ソフィア side】
カチャリと背後で扉が開いた音が聞こえ、体を回して振り返ればイルミが入室するところだった。
「おかえりイルミ。貴方の弟って凄いのね」
「そう？ 普通でしょ」
「普通とは何か問いたくなるわね……」
そんなことを考え始めたらイルミの家自体普通とは程遠いのだけど、気にしてはいけない気がしてくる。
少なくともあんなに綺麗に舞えるようになるまですごく努力したんだと思う。その一点においては、私は凄いと思うのだ。
「オレも戻っては来たけどまたすぐに行くからね。ソフィアのご飯作らなきゃいけないし」
「家では専用シェフが作るんじゃないの？」
「兄さんが料理……！？」
飛行船で料理を用意してくれた時に、家ではシェフが作るからあまり自分で作ることはないのだと教えてくれたはずだ。
そう思って呟いた私の質問と同じタイミングでカルトが驚きの声をあげる。
イルミはカルトに心外だと言いたげな目をした。確かにあれだけ美味しい料理を作れるのなら心外よね。
「何、カルト。オレが料理しないと思ってた？」
「ええと……あ、イル兄さんも戻ってきたし僕は母様のところに行くから！」
心なしか声のトーンが低くなったイルミに怯えたように身をすくませると、慌ててカルトが立ち上がった。扉に向かう彼の背中を追うようにして、お礼の言葉を投げかける。
「カルト、私とお話ししてくれてありがとう！ 楽しかったわ！」
ちゃんと伝わったようで、扉を閉めようとする動きが一瞬停止した。
「逃げられた」
「逃がしたんでしょう、あれくらい貴方が止められないはずないもの」
「まあね。カルトと何話してたの？」
隣に座ったイルミに舞を見せてもらったこと、手合わせを申し込まれたことを話せば、イルミは少し考え込んだ。
「うん、ソフィアの舞う姿見てみたいかも。手合わせ絶対勝ってね、アイツ明日はオレと訓練するから……あ、どうせならソフィアと戦わせるか」
「訓練の予定変えちゃっていいの？」
「平気。それじゃ、夕食の準備しに行くからソフィアは先に風呂入ってて。今使用人呼ぶから」
風呂と聞いて、ぶわっと嫌な予感が一気にやってきた。
「それじゃ髪が濡れたままになっちゃうけど」
「何言ってんの？ ちゃんと使用人に乾かさせるよ」
でしょうね、飛行船でもイルミに乾かしてもらってたもの。
ドライヤーという天敵から逃れられないことが確定して眉を寄せる私の頭を、いいこいいことイルミが撫でた。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
