秘密の存在２【H×H】 (ページ32)

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７１、綺麗な貴方ページ32

面談が終わり、ゴン達を探そうと思っていたら誰かに部屋に引き込まれた。
誰だと思い見てみれば、目の前には元に戻ったイルミの顔。今は壁に押し付けられてないけど以前にもこんなことあった。

「こ、今度はなぁに」

「なんだろうね」

はぐらかすように言われ、そのままただ黙ってじっと見つめられる。
本当になんだろう。何か気に障ることでもしただろうか。意識的にはしてないはずだけど。

「……ほんとになんだろ」

「イルミ？」

呼び掛けてみても返事がない。目も私を見ているようで見ていない。思考の奥に意識がいっちゃってるようだ。
仕方なしに、ちょっとした仕返しの意味も込めてイルミを観察することにした。

私と同じような白い肌。ヒソカも同じくらい白いのだけど、この人はメイクがない分より白が際立っているような気がする。
髪も瞳も綺麗な黒で一切の雑じり気がない。髪は光を受けて輝いているのに対し、瞳は光すらも吸い込みそうな程だ。

今は私を見下ろしているからか、軽く伏し目になっていて可愛く思えてしまう。伏し目になるとちょっと猫目なのはやっぱり遺伝なのだろう、キルアもそうだし。
顔立ちも全体的に整っているし、美丈夫の類いに入る人だ。

「ねぇ」

はっと息を呑む。私がまじまじと見ている間にイルミは思考の波から戻ってきたらしく、今度はちゃんと視線が合った。

「なんでそんな見てくるの」

「綺麗だなぁと思って……？」

「綺麗？オレが？」

というか自分は良いのに私は見ちゃ駄目なのかしら。という言葉は飲み込んで、イルミの言葉に肯定する。
イルミはちょっと視線を外して、それから自身の胸元に手をあてて、こてりと首を傾げるとまた私に視線を移した。

「それって、褒めてる？」

「ええ。美丈夫という言葉が合うと思うわ」

「外見を評されてもな。聞き慣れてるし」

「ええ……」

思わず眉を寄せる。外見を褒められるのは気に食わないのかしら。
ならばと彼の内面を考えてみる。イルミは優しいと思う。三次試験では助けてくれたし……

あ、お礼を言ってない。

「イルミ、三次試験の時はありがとう。ゴールまで連れてってくれて助かった」

「何で今さら思い出したの」

「貴方は優しい人だなって考えてたら思い出したのよ。忘れててごめんなさい」

「……いいよ、それに一回は助けてあげるって言ったし」

そういえば、一次試験の開始前にそんなことを言ってたような。だからなのか。