60、最終日へむけて ページ21
とはいえ、加減しなければヒソカの動き全てに対応できるだろう。
(加減しなければ、ね)
加減を覚えてなきゃ、確実にヒソカの体を壊してしまう。だから、ハンゾーとの戦闘で殺さないための加減を覚える必要があった。
頼みを聞いてもらう形での彼との戦いなら、生死のギリギリを駆け引きするような戦闘にはならないだろうから、安心して試すことができた。
「ソフィア、思ったんだけどさ。どうやって最終日にヒソカと落ち合うんだ?」
キルアの声に思考から引き戻される。
どうやって落ち合うか。
「……ヒソカならなんか見つけてくれそうじゃない?」
「確かに」
「あいつならやりそうだ」
うんうんと頷く二人。ヒソカだものね……。
それを抜きにしても、彼は念使いだ。こちらが絶や纏をしている以上他の受験者よりは区別がつきやすいし、何らかの方法で見つけるだろう。
そうでなくても、私が教えてもらった念の使い方は基礎。基礎があるならば応用もあるはずだ。想像はつかないけれど……
あ、そういえば。
「ハンゾー。はい、これ」
バッグからプレートを取り出して渡す。あっ忘れてた、と言わんばかりの表情をされた。
忘れてたら最終試験に行けないでしょうに、大丈夫かしら。
「ともかく、今から最終日までどうすんだ? オレらもうプレート手に入っちゃったし、暇なんだよなー」
キルアの言う通り。最終日まではあと四日もある。
その間に、出来ればもう何度か戦闘を見るか戦っておきたいところ。
「折角だから二人も戦ってみたら? 骨折しないようにとか、ちょっと条件はつくけど」
「ま、暇潰しにはなるかな。明日でいい?」
「暇つぶ……っ、俺は問題ないが、お前、覚えてろよ……」
眉をピクピク動かし低い声で言うハンゾーに不敵な表情を見せるキルア。挑発するのは結構だけど、それで戦いに本気にならないでほしい。
「くれぐれも怪我しないようにね。最終試験、何があるかわからないのよ?」
「お前なぁ。一応こいつもライバルなんだぜ? 心配してどうすんだよ」
船上で自分が何を言ったか忘れてるのだろうか。
「”暇なら俺といろよ。ついでに守ってやっから”なんて言ってたのは誰かしら」
「むぐっ……!」
「ともかく、水辺に移動して数日の水と食料を調達しましょう。手合わせするにも何をするにも、補給は大事だもの」
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勿忘草 - 普通にハンゾーが可哀想www (2020年6月20日 15時) (レス) id: a494dee2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年5月4日 21時