30、二次試験は料理! ページ33
「あ、ゴン」
「キルア!」
遠くで聞こえたゴンの声に反応し、キルアが私の腕を引っ張ったまま歩く。
私はヒソカのとこに行きたいのだけど。
「駄目。あいつまだ収まってねーのに行かせられるか」
「ソフィア、危険だから俺たちと居よう?」
そうはいっても、お世話になってる身だ。なるべく意には添いたいし。
そう思ってヒソカを探すと、彼は受験者たちから少し離れた木に寄りかかっていた。彼方も此方に気付いたようで、私がゴンたちに顔を向けて同行の意思を示すと頷いてくれた。
キルアのいう通りまだ収まってもいないようで、軽い殺気と笑顔を一緒に向けてくる。
「許可、降りたみたい。まだこっちに居てもいいって」
「はぁ!?」
「い”っ」
「な……」
ヒソカが許可してくれたことを話したら、何故か少年二人にクラピカまでもが驚愕を露にする。
「おま……よく今のあいつと関われるよな」
「なんのこと?」
「ソフィアってすごいね……」
「ああ……彼との関係性が少し気になるな……」
本当になんのことだ。
そうこう会話している内に、試験官サトツが二次試験会場の説明を簡単に済ませて森へと戻っていってしまう。
今の今まで閉まっていた巨大な門が開いて、奥が見渡せるようになる。女性の声が受験者を中へと呼び、次なる試験の説明を始めた。
「どうやら腹ペコのようね」
「もうお腹ペコペコだよぉ」
「──そんなわけで、二次試験は料理よ!!」
料理。料理……やったことない。
というよりは、元が獣なだけに人間になっても焼いて食べればいい、っていうのが身に付いちゃっている。味より空腹が満たせるかどうかが重要だった。
周囲は戸惑ったり試験官の美食ハンターという言葉に嘲笑したりと忙しないけれど、何故試験が料理ってだけでそんな態度が取れるんだろう。
美味しいを追求するのはとても難しいはずなのに。
「指定する食材は豚だよ。このビスカの森にいる豚なら種類は自由。その豚を、ここにある調理器具を使って作った料理で、俺たち二人が揃って美味しいと言えば合格だよ」
「美味しいと言っても味だけじゃ駄目。料理を舐めないでね? わかった?
私たち二人が満腹になった時点で試験は終了だからね」
「わかったわかった。とっとと始めようぜ」
あの受験者は明らかに馬鹿にしている。そのことに苛立ちを覚えるも、溜め息をつくことで感情を逃がす。
「それじゃあ二次試験、スタートぉ!」
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます!ヒソカ希望いただきましたー!何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください!← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです! (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年4月8日 3時