29、大きな門の前で ページ32
【ソフィア side】
「カタカタカタ……あれ、アンタだけ?」
森を抜ければ、受験者たちが大きな門の前で立っていた。
人と会う前にフードを被り直していて良かった。此処は明るいから、目を見られやすい。
「先に貴方と合流しててって、ヒソカに言われたの」
「ふーん。随分遅かったね」
「そう?」
危険な植物が生えているところや落とし穴を避けて来たからだろう。
獣たちは私を恐れて、安全な道を通ったようだし。
「……ねぇ、なんでまたフードしてるの」
どこか拗ねたような声。どうしてそんなことを聞くのかわからないけど、目のことを悟られないようにしないと。
「視線が気になるのよ。やたら見られるんだもの」
「そういえば、見てる奴等いたね」
「他人なんか見て楽しいのかしら……。あ、そうだ」
カタカタと音を立てて首を傾げる彼に、気になっていたことを聞いてみる。
「貴方、”誰から”正体を隠してるの?」
「……、オレ、素顔がそこそこ有名でさ。だから特定の誰かから隠してるってわけじゃないよ」
「嘘ね。初めて会ったときは隠してなかったでしょう」
空気が硬質なものへと変わる。ピリっとした敵意を感じる。これは……当たりね。
「大丈夫よ、それが誰であれ内緒にするから」
「……99」
観念したように、そう呟かれる。
99番。そう聞いて、脳裏に浮かんだのは白銀の髪に猫目の少年。
「もしかして、」
「あーっ、ソフィア!!」
聞こうとした瞬間に名を呼ばれ、右腕を掴まれる。
見下ろせばたった今話題にあがろうとしていたキルアがいた。ちらりと横目で確認すれば、ギタラクルは受験者に紛れ込んでいなくなっていた。
腕をぐいぐいと引っ張られて有無を言わさずに連行される。
「お前、大丈夫だったのかよ!」
「なんのこと……?」
「殺気立ったヒソカと一緒にいただろ! 巻き込まれて殺られてるかと思ったんだからなー」
「ええと。心配してくれてありがとう」
私は大丈夫、と言いかけて、バッと振り返ったキルアの勢いに驚く。
頬が赤くなってるし、照れ隠しの睨みは全く怖くない。けど靴の関係もあって此方が少し背が高いから、目を見られそうで心臓に悪い。
「心配なんかしてねーし! 知り合ったやつが死んだら寝覚めが悪いだけだから!」
それを心配と言うんじゃないかしら。
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澪 - オチ希望出来ればヒソカでお願いしたいです。 (2021年9月9日 7時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - ヒソカの花嫁さん» ヒソカの花嫁様、コメントありがとうございます!ヒソカ希望いただきましたー!何もなければご希望に答えてヒソカオチか、オチごとに小説を分けるか致しますので、評価ボタンを押して楽しみにお待ちください!← (2019年5月6日 21時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒソカの花嫁(プロフ) - オチ希望はヒソカでお願いしたいです! (2019年5月6日 21時) (レス) id: 6af5523d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年4月8日 3時