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夕飯の後、佐久間は見破られないように鼻歌を歌いながら屋上へと足を運ぶ。
座って、空を見上げて、いかにもご機嫌そうに鼻歌を歌って、そして、
佐久間｢…｣
ネックレスを外した。
佐久間｢やっぱりちょっと期待しちゃうんだよね｣
《相棒》は何も言わずに隣に立っていた。
佐久間には、秘密にしている事がある。
先程彼が阿部に冗談で言った｢お兄ちゃん｣という事。
あれは冗談ではなく、紛れもない真実だった。
佐久間が8歳の時に、親の再婚で兄弟になった、言わば義兄弟。
では、何故阿部は覚えていないのか？
それは阿部の｢力｣が関係してくる。
数年前、丁度この前のθ国との1件のように阿部が長時間｢力｣を使われて、情報の波に溺れた事があった。
その時に、彼は｢自分の家族について｣の記憶を零れ落としてしまったのだ。
つまり、今阿部は佐久間の事を｢大事なチームメイト｣と思っている。
しかし当然佐久間は阿部が義弟であった事を覚えている為、それをひた隠しにしている。
阿部に本当の事を告げたら、きっと彼は自分自身を責めてしまうから。
その事を知っているのは、深澤、岩本、宮舘、渡辺の4人だけだ。
《相棒》は何も言わない。
何も言わず、ただ佐久間の頭を撫でた。
自分と全く同じ姿形をした、かけがえのない《相棒》。
記憶も感情も感覚も、何もかもを共有している《相棒》だから、こういう時ただ隣にいてくれるだけでいい、といった事もわかってくれている。
それに甘んじて、佐久間は時々ここで、1人で泣いている。
｢…よし｣
気が済むまで泣いて、佐久間は1つ息を吐く。
《相棒》はわかりきったように拳を差し出した。
｢頑張ろうね｣
1つ、皆に問いたい。
果たして、義弟をあそこまで傷つけた国を、兄が許すだろうか？
答えは言わずもがな、だ。
藤桃は1人、夜に消えた。
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サラダ(プロフ) - 湊都さん» ありがとうございます！ちなみにめめは佐久間のこと君づけします、。ホントにたくさんすいません、！ (2020年2月14日 22時) (
レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - サラダさん» ありがとうございます（土下座）。呼称は本当にわからないのでありがたいです。書き直します。 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紅一点小説を書いているものです。Twitterで見かけて読んでみたらはまりました！！ページ21の紫色の目をした軍人というあたりで"ふっかくん"と読んでいますが、康二君は"ふっかさん"って言います。ぜひ知っていていただきたいです！！ (2020年2月14日 19時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - 湊都さん» お答えいただきありがとうございます。あべさくですね！色の表現も素敵です！変な質問失礼しました。 (2020年2月5日 20時) (レス) id: aae655c3b8 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - かごめさん» ありがとうございます。刺さっていただいたようで何よりです (2020年2月5日 19時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年1月30日 1時
