00:S隊の怪物たち ページ1
ある夜、時刻は丑三つ時とも言えそうな時間。
β国特殊軍隊は9班に分かれ、α国の｢S隊｣に密かに攻めいろうとしていた。
S班には9人しかいないという。1班20人の我々が負けるはずがない。
｢へ〜、200人弱で攻めてきたん？｣
｢発砲！｣
β国特殊軍隊第6班の面子は、背後、声のした方に顔を向けると同時に発砲する。
｢おわっ、こわっ、えっ、ちょっと待って1回話聞いて｣
敵の話す言葉なぞに耳を貸す必要は無い。
ただ、ひたすらに撃った。
撃ってリロードして撃って、その男の声がする度に方向を変え、ひたすらに撃ち続ける。
｢え〜もう、そんなんされたらこっちも武力で出るしかないやん！｣
途端、サイレンのようなものが鳴り響く。
マズい、警報を鳴らされた。…いや、待て。これは、本当に警報か？
｢お集まりの皆さん！本日は御来場頂きありがとうございます！これから始まる滑稽な猿芝居を、どうぞ最後までお楽しみください〜！｣
引き金にかけていた手が止まる。
円の中央、我が兵が囲む形になっている、そのど真ん中で、夕陽の瞳が揺らいだ。
嗚呼、これは、警報じゃない。
｢開演｣を知らせるブザーだ。
なんて、夢物語に浸るように見ていた。
辺りは赤く染まる。まるで、スポットライトで照らされていくように。
見た事のある顔が、次々と短剣で赤く染まっていく。
それすらも、一種のエンターテインメントかのように、20人いた隊員たちは短剣を振るう彼を心地良さそうに見て、
そうして、そのまま醒めない夢へと落ちていった。
｢…誰か1人くらい、相手してきてくれてもよかったのに｣
1人舞台はつまらんわぁ…なんて夕陽の瞳は目を伏せた。
S隊 File01
●向井康二
近接戦闘員 兼 遊撃戦闘員
夕陽の瞳を持つ男。
彼が戦場に立つと、その場は｢舞台｣となる。その｢舞台｣の上では、将軍、一国の王ですら｢観客｣に成り下がる。この｢舞台｣の｢役者｣は彼しかいない。
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サラダ(プロフ) - 湊都さん» ありがとうございます！ちなみにめめは佐久間のこと君づけします、。ホントにたくさんすいません、！ (2020年2月14日 22時) (
レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - サラダさん» ありがとうございます（土下座）。呼称は本当にわからないのでありがたいです。書き直します。 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紅一点小説を書いているものです。Twitterで見かけて読んでみたらはまりました！！ページ21の紫色の目をした軍人というあたりで"ふっかくん"と読んでいますが、康二君は"ふっかさん"って言います。ぜひ知っていていただきたいです！！ (2020年2月14日 19時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - 湊都さん» お答えいただきありがとうございます。あべさくですね！色の表現も素敵です！変な質問失礼しました。 (2020年2月5日 20時) (レス) id: aae655c3b8 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - かごめさん» ありがとうございます。刺さっていただいたようで何よりです (2020年2月5日 19時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年1月30日 1時
