勘違いの始まり-5 ページ16
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『あなたは、安室透ですか?』
「はい、喫茶ポアロの店員で毛利先生の一番弟子、安室透です」
動転しすぎて変なこと聞いてるのは分かっている。
自分でも何を当たり前なことを聞いてるんだと突っ込みたい限りだが、それに普通に答える安室さんも安室さんだ。だから安室さんが悪い。
じゃなくて。
もう一度言う、誰か私を殺してくれ_______!
「あはは、Aさんすごい顔してますよ?それじゃあ綺麗な顔が台無しじゃないですか」
『目が潰れるんで笑わないでください』
ニッコリとそれはもう眩しいくらいの笑顔が向けられる。それと同時に、他の3人からも好奇心の目が向けられているのが嫌でも分かる。
「ちょちょ、二人ともお互いべた褒めじゃないですかぁ!そんな風に言い合えるなんてやっぱり…!?」
『ちっ、違う違う!今のは不可抗力で』
「Aさんは照れ屋で中々こういうことは言ってくれないので…つい」
「きゃーーっ!やっぱりAさんたちって!」
『だっから誤解招く言い方しないでくださいって!!』
一人の男の登場でここまで話がすっ飛ぶなんて誰が予想しただろうか。いや、安室さんはそう言う人だった。
『安室さんはきちんと否定してください!こういうのははっきり言わないと変に広まっちゃうんですから』
とにかくどうにかして誤解を解きたいが、私がどうこう言ってももう聞く耳を持たなさそうなのでやむなく安室さんに協力を仰ぐ。
安室さんが否定すれば3人も納得するだろう。
「あはは、そうですね…ああは言いましたがお付き合いはしてませんよ。残念ながら」
安室さんがそう言えば、分かりやすく肩を落とす3人。期待を裏切るようで悪いが、私の平和な生活のためには誤解は解かねばならない。
『ほら、安室さんもこう言ってるし…』
「あぁでも、素敵だと思ってるのは本当ですよ?」
『えっ』
なんで今の台無しにするの。
あと3人、活力を取り戻した目でこっちを見ないでくれ。
『だからそういう冗談は…っ』
「冗談じゃないですよ。本当です。それに、お付き合いはしてませんけど…………」
あぁ、また、心底楽しそうなあのいたずらな笑顔だ。
「秘密を共有する仲……ではありますよね、Aさん?」
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます!頑張ります〜(^○^)! (2018年6月20日 0時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山梔子 | 作成日時:2018年5月24日 23時