番外篇14 ページ47
見ているテレビ番組では、夫は妻のことをどれだけ知っているか、という題材が放送されている
『晋助さんもやってみて下さい』
いいだろう、と彼女の提案に頷き問題を聞く
最初は誕生日や血液型という簡単な所から攻められたが、当たり前に知っている
次の問題は好きな食べ物と嫌いな食べ物。これも先程と同じくらい俺にとっては簡単だった
『好きな食べ物は甘いスイーツに見せかけて、お前は肉が一番好きだろう？』
そして嫌いな食べ物は苦いものだと答える。正解な筈なのだが、Aは顔を赤らめて口を開けたり閉じたり忙しなく動かしていた
『な、何で知ってるんですか…！
いや、その前にデリカシーが無いです！』
バカ、と胸を叩かれる。どうやら肉好きというのは可愛げが無いと思っているのだろう
そんな事はないと伝えるように、彼女を抱き締めたが逆効果になってしまった
『どうして分かったんですか…言ってないのに』
『肉食ってる時に幸せそうな顔するし、食べに連れてくと喜ぶからだろ』
それは俺と出掛けてるからだと言われるが、目を見て言わない辺り誤魔化しなのは明白である
『自転車には乗れねェ、甘いものより肉が好き
お前は見ていて飽きないな』
『嬉しいのに、嬉しくないです』
微妙といった顔をして、口をへの字に曲げた。何か考えるように俯いたと思えば急に顔を上げる
『それに私だって晋助さんのこと知ってますよ！
好きな物は最後に食べる派です』
『あァ合ってる
だがな、お前の事は最初に食べたくなる…』
堪えきれなかった笑いは喉の奥で鳴った。直ぐ冗談を本気にし、頬を赤らめるから愛らしい。しかし俺も嘘はついてなかった
『…どうだ今日の夕飯、肉でも食べに行くか？
『そんなに行きたいなら、行ってあげてもいいですよ』
珍しく素直になれないA。しかしそれすら俺にとっては愛しい彼女の一つで、今もこれからも丸々包み込める気がした
出かける前にテレビを消そうとリモコンを手に取る。直前に映し出された画面には、最終問題と称し、妻のことをどれくらい好きかという問題がフリップに書かれていた
しかし、どれくらいと聞かれても直ぐには答えられない。宇宙の広さと同じくらい、それともマリアナ海溝よりも深いか？
『晋助さん、早く行きましょう』
結局は楽しみにしているのか、スキップをしながら玄関へ向かうA。
言葉に表せないくらい大きい愛は、他に例えられるものがない程、溺れるように深かった
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油揚げ☆ - はじめまして！いきなりですが、お気に入り1000人突破おめでとうございます！このシリーズ本当に素晴らしくて綺麗で、心が洗われました！これからも頑張ってください！ (2017年12月29日 23時) (
レス) id: ea10ef1a5d (このIDを非表示/違反報告)
爽香(プロフ) - お気に入り、1000人突破おめでとうございます！！！ (2017年12月26日 9時) (レス) id: a0739e61e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 湯葉さん» 他の作品も読んでくださっているんですか！？ ああ、本当に有り難いです。どうもです。 続篇、土曜日なので楽しみに待っていてくださると嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 琉晟@遥さん» 初めまして！ そんな嬉しいことを言われても何も出ませんよ！笑 とっても素敵なコメントをありがとうございます！ コメント、本当に頂けると嬉しくなるのでこれからも遠慮せずにしてください！( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
湯葉(プロフ) - 初めまして。ハルさんの作品、どれもとても素敵でいつも感動して読んでました。こちらの作品の続篇もとても楽しみにしております。これからも頑張って下さい!!応援してます(^^♪ (2017年6月11日 19時) (レス) id: 78ddd75d3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時：2017年2月6日 16時
