【銀魂】おはよう、愛しき人よ

番外篇7 ページ39

『土産だ』


そう言って、シンスケはお菓子の入った箱を渡してきた



『ありがと

新婚旅行？』


そんなところだ、と頷く


『新婚じゃないのにね』


クスクス笑ってやるが、鼻であしらわれるだけ


まあ、楽しかったんだろう



『そうだ……

A、写真とチョコ喜んでくれた？』


『写真は知らねェが

酒が苦手だからチョコは食わせてねェ』


『それは悪いことしちゃったね』


あれ、結構酔うからさ


『……だろうな』


そう、額を手で覆う

酔ってなんかやらかしたのかもしれない


見たかったという欲が湧いた



『もう隠し撮りすんなよ』


『えー……

趣味になりそう』


冗談めいて言ったのに、シンスケは眉を顰める



『じゃあ一緒に写真撮ろうよ』


『あ？』


俺とお前が、と嫌そうな顔



『だって何か握手してる写真とか飾ってる人いるじゃん』


俺も飾りたい


仕方ないと溜め息をついたシンスケは

早くしろと急かす


俺は棚の上にカメラを置いて、確認してからタイマーを押した



『ほら、あと１０秒くらい』


こうしよう、と肩を組む

シンスケが顔を背けたから、俺は耳打ちした



『俺、Aのこと好きだったんだけど』


その言葉に驚いて、俺の方を向く


瞬間にシャッターが鳴り

確認すると、シンスケの顔が鬼の形相のように怖かった



『見てよ、変な顔』


ケタケタ笑ってやる


しかし、奴は俺を睨んだまま



『……冗談だよ』


笑ってくれるかと思った、と的外れな誤魔化しをして

もう一度カメラをセットし直す



『今度は笑ってよ？

笑う角には福来る』


俺らのビジネスが成功しますように



はい、チーズと口をにっと笑う


撮れたみたいで確認すると

シンスケも微かだが笑っていた



『いいね、うん

よく撮れてる』


ほら、と見せると

シンスケも満足そうに頷いた









＿＿＿＿『おい、仕事しろ』


ガミガミと、今日も阿伏兎の説教が始まる


はいはいとテキトーに流して

椅子をゆっくり回転させた



『ん？

なんだ、お前らいつの間に仲良くなってんのか』


置いてあった写真立てを手に取り

阿伏兎は俺を見てニヤリと口角を上げる


『当たり前じゃん』



俺たち、友達だからネ

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