【銀魂】おはよう、愛しき人よ

番外篇6(後篇) ページ38

『私はここらで新しく学習塾を始めた、吉田松陽です』



よろしくね、と俺と高杉を見る




『新しい学習塾……


ああ、松下村塾の先生……』



そうです、と俺の頭に手を乗せた




『……で、何が知りたいんですか？』




私も教育者の端くれ


知りたいと思ったことは、教えたくなります





『……なら、こうやって毎日勉強して


俺は幸せになれるのか？』




何を聞いてるんだ、と高杉を見たが

奴は真剣な顔をしている



だから、吉田松陽がどう答えるのか俺は気になった





『幸せ、ですか……


そうですね、勉強して博識になった人は

その知識を役立てて誰かを幸せにできるかもしれません』



自身のためにも役に立ちますし




『じゃあ、勉強した方がいいってか』



高杉の返答に、ううんと首を振る




『結局は自分次第なんですよ』



特別なことを学んでいなくても、幸せになれる人はたくさんいます




『貴方が欲しい幸せに


勉強が必要か不必要か、考えてみてください』




俺の、欲しい幸せ……


猫と戯れたいとか、そういうのじゃないのだろう



もっとこう…誰かを護れるかとか

愛する人と一緒に居るとか


この人の言う幸せは、未来まで続いていくモノだ




『……へェ


俺の、幸せね』



高杉は自分の幸せが何か考えたのか

含み笑いで口角を上げる





『俺、アンタのところで学びたい』




教えてくれよ




『もちろんです』



俺も、と彼を見上げる


彼の傍にいれば、勉強以外で知りたいことも学べる気がした



松陽先生は俺らの頭に手を乗せて優しく撫でる




『ようこそ、松下村塾へ』＿＿＿＿





それで俺たちは松陽先生のところで学び始めた



『そうだったんですか……』



彼女も先生のことを考えているのか

口元が緩んでいる




『あ、でも


晋助さんの幸せって……』




『それはもう、叶ってるんじゃないか？』



Aさんが居るから



『私ですか？


それは……『なに人の女口説いてんだ』



仏頂面の高杉が、着替え終わったのか部屋から出てきた




『口説いてない


言ってるだろう、俺が好きなのはねとら『だったら相手を作れよ』



はは、と苦笑いのAさん



今はまあ、こうして友人の幸せを眺めているのもいいだろう




それに……



『銀時ィ！！


その肉球を触らせてくれ！！』




猫と戯れるのも、幸せ

番外篇7→←番外篇6(前篇)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す