【銀魂】おはよう、愛しき人よ

25 ページ26

マンションの60階



ガラス張りのエレベーターを長く乗って、街並みを見下ろす





変わらない、彼と住む街




大好きなここで、大好きな人と





横にいる彼に、寄りかかるようにしてくっつく




どうした、と私を優しく見つめて


なんでもないと、私は首を振った





そんな私に呆れずに


彼は微笑んで目を閉じる





いつの間にかエレベーターは到着していて


高杉、と彫られた表札の前




鍵を回し、中に入る




開けてくれた晋助さんと共に扉をくぐって


買い物した袋をそこに一旦置いた





晋助さんは靴を脱いで先に上がり、私の方を振り向く









『おかえり、A』





おかえりと言われると


こんな気持ちになるのか





胸の奥から何かが込み上げて


安心したように、温かくなる




彼にも同じような気持ちになってほしいなあ……








『ただいま、晋助さん』






貴方がこの家に帰ってきたときも




"おかえり、愛おしい人よ"





私がこの家に帰ってきたときも




"ただいま、愛くるしい人よ"






そして夜が更けて眠りにつくときは


また明日会えることを楽しみにして






"おやすみ、愛らしい人よ"







また今日も、貴方との一日が始まる







"おはよう、愛しき人よ"

番外篇1(前篇)→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す