もうひとりのカードキャプター

カードの持ち主 ページ49

「ただいまー」
「おかえり」

お家に帰るとお兄ちゃんがキッチンでご飯を作ってくれていた。

『今日はお兄ちゃんが当番の日だっけ』
「あれからなんもされなかったか？」
「うん。大丈夫、知世ちゃんもAちゃんも一緒にいてくれたから！」

その言葉に少し安心したのかお兄ちゃんの表情がすこし優しくなる。

「じゃぁ、私たち着替えてくるから！」
「俺今日バイトだから作ったら家出るからな」
『はーい』

2人で二階の部屋へと上がっていく。

さくらちゃんは部屋に入るなりケロちゃんに今日のことを話そうとした。

しかし、ケロちゃんはスヤスヤと寝ながら宙に浮いていた。

『これじゃなかなか起きなそうだね…』
「うん…」
「…ユエ…」

ケロちゃんが寝言で何かをつぶやいた。

「あかん！そんなことしたらカードが！」

どんな夢を見ているのかそのまま壁に向かって行ってしまった。
案の定そのままぶつかってしまい目を覚ましたケロちゃん。

「ケロちゃん！大丈夫？！」
「あり？あたま、いたい…」
『寝ぼけてぶつかったんだよ？』
「わいとしたことが…」
「そうだ！李 小狼って子知ってる？！」

するとケロちゃんは驚いたような顔をしてすこし考え始めた。

『とりあえず着替えちゃおっか？そろそろお兄ちゃんもバイト行く時間だろうし！』
「そうだね」

そう言って2人で着替えてからリビングに戻りお兄ちゃんが作ったご飯を食べ始めた。
ケロちゃんとガロちゃんの分は私たちの分を分けてお皿に盛り付けたよ！

そしてご飯を食べながら今日会ったことを話した。

「それはおそらく李 家(リ け)のもんやな」
「李 家(リけ)？」

それからケロちゃんは魔法の原点について話し始めた。

『ね、ガロちゃん、ケロちゃんの話で行くと天地のカードもすごいの？』
「そりゃとてつもないもんだぞ。お前の前世もものすごい魔力の持ち主だったからな」
『ほぇ…』

「じゃぁ、あのこは…？」
「クロウの遠い親戚っちゅうことやな」
「じゃ！私！カード渡した方が良かったの？！」

どうやらやっと小狼くんのところまで話が戻ってきたようだった。

「そりゃちがうでさくら。さくらはこの本を開いてわいを目覚めさせた。最初に会うた時も言うたけど、この本には封印が施されとってよっぽどの魔力の持ち主やないと開けられへん。さくらにはこのカードを使う力があるっちゅうこっちゃ。んでもってこのカードにはもうさくらの名前が書いてあるがな。カードの持ち主はさくらや！」

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