もうひとりのカードキャプター

ほんとうにおかあさん？ ページ35

飛び込んでさくらちゃんの手を掴み池から救い出してくれたのはまさかの雪兎さんだった。

さくらちゃんをお姫様抱っこして私たちのところに。

「あの…さくらちゃんは…？」
「大丈夫。気を失ってるだけだよ。気がつくまでうちで寝かせておくよ」
『じゃぁ、わたしもついていきます』
「わ、わたくしも！」

知世ちゃんもついていこうとすると
ボディーガードの女の人たちがそろそろ帰る時間だと伝えてきた。

『ありがとう、知世ちゃん。知世ちゃんはケロちゃんをお願いできる？』

さっき弾かれた時に知世ちゃんが抱きとめていたのだ。

「わかりましたわ…では今日はお先に失礼させていただきますね」

『うん、気をつけて帰ってね？』

そうしてケロちゃんを連れて知世ちゃんはボディーガードの人たちと帰っていった。

そして雪兎さんのお家の前まで到着した。

『わ、私、お兄ちゃん呼んできます！』
「うん、よろしくね、Aちゃん」

そう言って雪兎さんと別れる。

『(さくらちゃん、大丈夫かな…)』

お家に着いてお兄ちゃんにさくらちゃんが雪兎さんのお家にいることを説明すると
雪兎さんが先に連絡をしてくれていたようだった。
入れ違いにならないように待っていてくれていた。

「A…」
わたしのことをじーっとみつめてきた。
『ほえ？？』

何か言いたそうにしていたが、ふいっと目をそらし

「行ってくる」
と言って、家を出て行った。

『ガロちゃん、もう大丈夫だよ』
「ふー、バレないようにすんのも大変だな」
『うーん、お兄ちゃんには多分わかってると思うんだよね、はっきりとはしてないと思うんだけど』
「そうなのか？」
『お兄ちゃん、そういう類のことには敏感だからね』

さくらちゃんはお兄ちゃんに背負われて帰ってきたが、どうやらまだ眠っているようだった。

.・＊・.・＊・.

そして次の日。

『うーん…おはよう、ガロちゃん』
「ん、おはよ」
『さくらちゃんは？』
「まだ寝てるぞ」
『そっか、そうだ、この力使えるかな…』

そういうとさくらちゃんに手をかざし早く良くなるようにと願った。
すると淡い光がさくらちゃんを覆った。

そんな時電話が鳴った。

『はい、もしもし木之本です』
「"大道寺です、そのお声はAちゃんですか？"」
『うん！その声は知世ちゃんだね！』
「"今日お見舞いに伺ってもよろしいでしょうか…？"」
『うん！多分もう少ししたらさくらちゃんも起きるだろうしね！』
「"では後ほどお伺いさせていただきますわね"」

お母さんの正体は→←さけび声

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す