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【番外編】07.責任 ページ19

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「勝己さん、いってらっしゃい」
「あぁ」



いつものように彼女の声を背に敷地を出て、立ち止まる。



昨日のことは、全てなかったことにした。何も見ていない、聞いていない。そうすれば、互いに苦しい思いをしなくても済むと思ったからだ。

自分の気持ちにも、気付いてないふりをした。






歩き続けていると、無意識に彼女の入院していた病院にたどり着く。



「……っ、」



何故、彼女への思いを忘れようとしていたときに、こんな場所に来てしまったのだろうか。ふと我に返り病院に背を向けると、誰かに呼び止められた。



「……あ、あの!」



振り返ると、先日彼女のことを教えてくれた受付の女が立っていた。そうして俺の前に着くなり焦ったように話し出す。



「この間の患者さんのこと、教えます」
「……は?」



この前は言えないと言っていた入院していた理由を、いきなり教えると言われても、何か裏があるとしか思えない。

理由を聞こうとしたとき、彼女が俺の腕を掴んで口を開いた。



「Aさんは、誘拐事件に巻き込まれて、」




────“個性”を、失ったんです……っ、




それを聞いたとき、目の前が真っ白になった。言っていることが理解できずに、女に掴みかかる。



「どういうことだ」
「……この後、時間ありますか?」





.





病院の敷地にある広場に、腰かける。

よく病院に来てたアイツと、世間話をする仲らしい彼女は、病院内で噂になっている情報を提供してくれた。


前に彼女が教えてくれた通り、とある社長令嬢の誘拐事件に巻き込まれたようだった。



その際に、“個性”が【爆音】の敵と接触したらしい。アイツの“個性”は【聴覚】だ。分が悪いにも程がある。



「“個性”を失う、っていうのは、異例中の異例ですからね」



噂になってるんですよ、と続ける彼女は暗い顔をしたまま更に呟いた。



「被害者の親でもある社長さんは、いつもAさんの病室を訪れて責めたてていたと聞いてます」


娘がこうなったのはお前のせいだ、って。



「……アイツは、何かしたんか」
「違いますよ。何故ヒーローではなく警察を呼んだのかと怒鳴ってたんです」



同居が決まった際に「何かあったら、俺を呼べ」とアイツに言ったことがある。俺に迷惑をかけないようにと遠慮して、連絡しなかったのかもしれない。



────もしも、“個性”を失ったのが 俺の責任だったとしたら。

そう思うだけで、胸が張り裂けそうだった。

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設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 爆豪勝己   
作品ジャンル:アニメ
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√A(プロフ) - 真実さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです!頑張った甲斐がありました〜(笑) お気に入り登録もありがとうございました! (7月20日 11時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 哀切この上なくて、でもとても素敵なお話でした……! 久々に素晴らしい作品に出会えました、ありがとうございますっ…… (7月20日 1時) (レス) id: 645dfe253c (このIDを非表示/違反報告)
√A(プロフ) - けいさん» 最高だなんて、、そう言ってもらえて嬉しいです。そうですよね、、大好きな人との時間を大切に過ごしてくださいね。コメントありがとうございました! (10月7日 21時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)
けい - ずごい泣けました……涙が込み上げて来て最高でした。最後のほうはもう画面が見えなかったです。大好きな人の声が聞けないなんて私は耐えられないと思います。 (10月4日 21時) (レス) id: 0d0916fec7 (このIDを非表示/違反報告)
√A(プロフ) - でんぷんさん» 返信遅くなって申し訳ないです。ほんとですか!笑 そう言ってもらえて嬉しいです。コメントありがとうございました! (10月2日 19時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:√A | 作成日時:2018年2月8日 22時

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