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【番外編】05.結婚 ページ17

彼女の入れてくれたコーヒーを飲みながら、いつものようにスマホのニュースを見る。

すると、そこそこ有名なヒーローが【結婚する】という内容の記事が目に入った。相手は、一般女性だと書いてある。



“結婚”、か……。



思わず、目の前にいる彼女に目をやる。

彼女は、飲んでいたオレンジジュースに集中していたため、此方には気付いていないようだった。

言おうか迷ったが、気が付けば小さく口に出していた。



「……てめェは、結婚しねぇのかよ」
「え、何?」



そうすると、“個性”で聞こえているはずの彼女は、戸惑ったように聞き返した。何故聞こえないんだ、と苛立ちながらももう一度聞く。彼女の焦ったような顔が、頭に残った。



「結婚しねぇのか、って聞いてんだよ」
「まだ、考えてないの」
「……そうかよ」



彼女が「まだ考えていない」と言ったとき、安堵と同時に不安もあった。どうしてこんなにも彼女のことを気にしているのか、自分でもよくわからない。こんな自分に腹が立つ。



今、付き合っている人は いるのだろうか。いるとすれば、どうして同居なんかしているのだろうか。


彼女に相手がいなければいいのに、と思いながら立ち上がる。椅子を直して俺はリビングを出た。

何故か、彼女に相手がいると考えるだけで胸がひどく締め付けられた。









「勝己さんって、彼女いるの?」
「は?」



翌朝。

不安そうな、でもどこかでは期待しているような顔の彼女に質問され、動揺を隠せずに戸惑う。



「……いねぇよ、そんなん」
「そっか」



「いない」と言う俺の返事を聞いて、嬉しそうに背中を向けた彼女を呼び止める。期待させるようなその仕草は、わざとやっているのだろうか。

この際だから、と彼女にも聞いてみる。一瞬だけ驚いたような顔をした彼女は、ゆっくり口を開いた。



「てめェは、どうなんだよ」
「……いないよ」



そう答えた後に 窓の外を眺める彼女は、今にも消えてしまいそうで。思わず、声をかけてしまった。



「なぁ、」




────何をそんなに、悩んでるんだ?





だが、開いた口からそれは出てこなかった。言ってしまえば、彼女は壊れてしまう気がした。「何か言った?」と言われて、何でもないと言うのが精一杯。



いつも飲み干すコーヒーを、今日は何故か飲む気になれずに部屋を出る。


ここにいれば、何か余計なことを言ってしまいそうだった。

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設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 爆豪勝己   
作品ジャンル:アニメ
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√A(プロフ) - 真実さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです!頑張った甲斐がありました〜(笑) お気に入り登録もありがとうございました! (7月20日 11時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 哀切この上なくて、でもとても素敵なお話でした……! 久々に素晴らしい作品に出会えました、ありがとうございますっ…… (7月20日 1時) (レス) id: 645dfe253c (このIDを非表示/違反報告)
√A(プロフ) - けいさん» 最高だなんて、、そう言ってもらえて嬉しいです。そうですよね、、大好きな人との時間を大切に過ごしてくださいね。コメントありがとうございました! (10月7日 21時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)
けい - ずごい泣けました……涙が込み上げて来て最高でした。最後のほうはもう画面が見えなかったです。大好きな人の声が聞けないなんて私は耐えられないと思います。 (10月4日 21時) (レス) id: 0d0916fec7 (このIDを非表示/違反報告)
√A(プロフ) - でんぷんさん» 返信遅くなって申し訳ないです。ほんとですか!笑 そう言ってもらえて嬉しいです。コメントありがとうございました! (10月2日 19時) (レス) id: 6ffc153c88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:√A | 作成日時:2018年2月8日 22時

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