【立海】日々、晴天なり。 4

日常、非常事態宣言。 ページ30

はい。櫻木Aです。
ただいま、困っております。そりゃもう、とっても。とっっても。
そうは見えないかもしれませんが、非常に、ひっじょ〜に、パニックに陥っております。

貴「お、おおお落ち着け私、突破口を探すんだ…」

落ち着くために現状整理をいたしましょう。
ただいま現在、跡部邸。
何故ここにいるのかというとテニス部合宿、私はテニス部マネージャーでなんでそうなったかというとレギュラー連中のしつこい勧誘に根負けした…って、そこまで遡らなくていいわ、戻れ戻れ。

貴「………ここ、何処よぅ……」

声だけは半ベソな私がいるのは跡部邸の庭。というか、森。これはもう森だ。山だ。山田。いや、誰だ。
1人ボケツッコミしながら睨みつけるマップ。
手に持っている跡部邸マップは屋敷内のみしか記載されておらず、従って外ではまったく役に立たず。というかこんな暗闇の中、そんなものが暗視能力なんざ当然なしの私に読めるはずもなし。そして私一人。
何故か。
それは、でこぼこした岩場があって、そこを登るのに手を使わなければならない、だけどもそれで怪我してラケット握れなくなったらテニスに支障が出る、いや待てそれはダメだとなったので、私が一人でレッツゴー。
登り終わると同時に足元ガラガラっ。こりゃ大変。下の連中も軽くパニック。
A、今から人呼んで来るから！！ って叫ばれたはいいものの、崩落は止まらず、慌てた私は愚かにも闇雲に駆けてしまい。

貴「……ここ、何処よ………」

要するに、迷子です。はい。
一単語で纏まるじゃないか。なんて簡単な。
真っ暗闇。ようやく慣れた目に映し出されるのは木々が作り出す不気味な陰影…。

貴「ひぎゃっ！！」

と、無数に蔓延る蜘蛛の巣！！！
反射的に飛び出す悲鳴は乙女にあるまじきものばかりだが、何分こちとら必死なのです。許して。
頼りになりそうだった時計の通信機というのは、鬼以外が連絡を取り合うためのもの。つまり、鬼は蚊帳の外。つまり役に立たず。

貴「この際蜘蛛さんでもいいよ、せめて私がどっちから来たのかだけでも教えて……やっぱいいです教えなくていいですだから近寄らないでっ！！！」

そして前述の通り。
櫻木A、人生最大の危機。
そう。
非常事態宣言発令中なのであります。

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