日常、驚きの芋蔓式。 ページ29
貴「……で」
両手を腰に当て、きっと目一杯情けない顔をしていると自分でもわかる私の目の前には、
不「一網打尽、だね」
真「まったくだな」
そう、一網打尽。
正確には、青学が、だけど。…おお、なんか洒落みたい。
手「…うむ」
河「…あはは……」
乾「……すまない」
なにがあったかというと…まあ、事は単純だったのだけど。
貴「金ちゃんに突撃されて眼鏡を吹っ飛ばされた乾博士がフラフラ歩いてたら階段から滑り落ちそうになった、そのギリギリのところでタカさんと手塚部長が助けて、なんとかどこかに隠れようとしてこの部屋に滑り込み……」
幸「部屋を散策すべく勢い良くAが開けたドアに三人まとめて衝突、と」
貴「ほんとごめん三人とも」
手塚部長もタカさんも乾博士も、みんなしておでこが赤い。ごめん。ほんとごめん。
手「いや…気にするな」
いやですね、手塚さん、おでこさすりさすり言われても、申し訳なさが募るばかりというかですね…。
とりあえず三人のおでこどうにかしないと、って思って、私も拠点のコートに戻ることに。当然、お供連中もぞろぞろぞろ。
貴「……まっさかーーぁ」
そして、コートに入った瞬間私が放った一言というのもなんとも間が抜けていたのです。だって、コートのベンチで新聞読んでる父さんの隣に跡部と樺地君。
跡「あーん？ 戻って来たのか。……なんでそこ三人はデコが赤いんだ？」
乾「話すと長くなるんだが…」
貴「だから割愛！」
跡「おい」
なんでも、跡部はかなり父さんを尊敬してるようで、だけども父さんは多忙だからなかなか話す機会もなく、この機会に、というのもあって、コートに舞い戻ったらしい。まさか拠点に鬼が戻ってくることもあるまい、と。まあ確かにかなりの盲点だったんだけど。
幸「それよりほら、手当て、手当て」
背中を押して急かす精市さんに、ふと我に返って、あわわ、氷、氷っと。
ばたばたばたと氷を用意して、
切「あれ、どうしたんすか？」
遠「コシマエーー！ ワイと勝負しよーや！！」
段々集まり始めるギャラリー。
出られなくなる前に、
貴「さて行くぞっ！！」
手「…俺も行こう」
貴「いやダメだから」
手「額なら平気だ。そんなにやわじゃない」
貴「そんなに短時間で治るわけないでしょ乾博士だってタカさんだってまだ赤…って治ってる！？」
手「だから平気だと…」
貴「あんた超人か！？」
はたと我に返る。
不「漫才はいいから、ね？」
貴「…はい」
手塚さんもお供です。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 351人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椿(プロフ) - NANOMANOさん» ありがとうございます！！！ 私も、ツンデレコンビのデレは大好きです。財前君もっとデレろ…！ (2014年11月6日 21時) (
レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
NANOMANO(プロフ) - 財前が可愛いです。ものっそい可愛いです。デレをありがとうございます。いつでも応援します！ファイト！ (2014年11月6日 3時) (レス) id: f5d752c2cb (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - キー子さん» ありがとうございました！！ 続きは…うん、これ以上のカメですが、お付き合い頂ければ幸いです。 (2014年11月1日 22時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 七夕♪さん» 光栄です！ こんなカメ足にお付き合い頂き、ありがとうございました！ (2014年11月1日 22時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
キー子(プロフ) - お疲れ様です！日常にスポットを当てていて親近感がわくお話でした（＾ν＾）続編があるのならば是非また応援します！絶対！！ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 9a1f8b418f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椿 | 作成日時：2014年6月8日 19時
