【立海】日々、晴天なり。 4

日常、いよいよ手詰まり。 ページ28

貴「はあぁ〜………」
越「今度は初っ端盛大な溜息っスか。どうしたんスか？」

この生意気坊やは…！ ちょっとは先輩を敬……うん、でもこいつがそんな風になったら正直なんか気持ち悪いというかなんというかきっと絶対お前誰だ状態になるからやっぱりそのままでいいよそのままで。生意気万歳。

越「…なんかシツレイなこと考えてるでしょ」
不「僕もAに賛成かな」
貴「いや私なにも言ってない…」
不「フフ…」

答えを濁すな笑って誤魔化すなっ！！
これも今更だけど。

真「次を探すぞ」
柳生「…とはいえ、次は誰を……」

指折り数える柳生さん、その隣でじっとシャンデリアを見上げているマサ。…こいつ絶対よからぬこと企んでるわ。

幸「そうだなあ、そろそろ手塚が見つかってもいい頃だと思うんだけど。勿論俺の主観だけどね。君はどう思う、不二」

精市さんや精市さん、あるべき場所にあるはずの三点リーダーとクエスチョンマークが全てにおいて行方不明ですよあなた。

不「そうだよね。でも、僕としては乾や柳を探すこれまでの作戦がいいと思うんだ。どうかな」

似た者同士が揃うと怖いね。この二人の台詞入れ替えて一人称変えたら違和感は仕事しないと思う。今度言わせてみようかな…。
精市に「百腕巨人の門番」とか言わせてみたらかなり面白いと思う。そして、なんか精市ならできそうな気がする。
勿論不二さんには「お望みなら、視覚以外も奪おうか」って……いや、やっぱ無し。怖過ぎる。超笑顔で言いそうだ。それも生き生きと。

越「…先輩、A先輩！」
貴「What！？」

気付くと私を覗き込んでるリョーマ、その後ろにはこちらにかがみ気味の精市と不二さん、似たような表情をしてこちらを見ている柳生さんとマサ。そして、腕組みをして見下ろす形の、けれどもどこか心配そうな真田副部長。

真「ぼうっとするなどたるんどる！！ …体調でも悪いのか？」

…私、この人も大概ツンデレだと思う。
…じゃ、なくて。

貴「…あ、ごめん。ちょっと現実逃避してた」

だって頭の中で精市がカウンター使ってて不二さんがイップスしてたからね。怖い怖い。
…ああ、手詰まりだ。

貴「…ん？」

キラリ、シャンデリアの明かりに反射した何か。美術品か？ とか思いつつ、注視を向けられながらも何気無く惹かれたので近寄ると、

貴「……んん？」

ぽつねんと寂しそうに身体を縮めていたのは、黒いフレームの分厚い眼鏡。

不「これは…」

さあ、君よ、現状打破の鍵となれ。

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