【立海】日々、晴天なり。 4

日常、誰にしようか。 ページ11

とはいえ。
…いや、いきなりとはいえなんて言ったって何が何だかだよね。

貴「もとい」

とか独り言なんか虚しいわ！
……もとい。

貴「誰から探すかな〜」

という私の声が虚しく反響する、ひろーーくて、ながあーーーーい廊下。畜生無駄に広いな。

まず、立海？
ということで、連中を思い浮かべてみる。
精市？

貴「無理」

ぜってぇ無理。多分。
じゃあ、真田副部長？

貴「……候補？」

でも、なんか察知されそう。座禅とかして気配を。
じゃー、柳教授。

貴「いやいや強敵だろ」

データマンコンビはとりあえず置いといて。
…詐欺師と紳士ペアは？

貴「仁王は難しそうだ。柳生さんは…なんか思考回路仁王と似てるかもしれないしなぁ」

じゃあプラチナペア。

貴「お菓子で釣ったら多分一瞬なんだけどなぁ」

それを多分全力で止めに来るよ桑原は。
赤也は、

貴「……一番ラクそう」

ごめん赤也。一番に出てきた考えがそれ。

貴「……ん？」

考え込みながら通り過ぎたドア、その向こうで、なにやら物音がした。
慌ててバックオーライ。
……こんな簡単でいいのかね？

貴「……しっつれいしま…した」

メイドさんの控え室でした。
そこにいたのは一人だけ。
いつも最後まで残って仕事をするメイド長さんがくすりと笑って、

「大丈夫ですよ、坊っちゃまからお聞きしております。……櫻木先生のお嬢様であられたのですね、ご無礼をいたしました」
貴「そんな、全然…」

にっこり微笑むメイド長さんに一礼して、外に出て。

貴「………そう簡単にはいかんかぁ…」

ま、向こうも多分死に物狂いだろうしなぁ。
……ん？

貴「もっかい、失礼します…」
「あら？ どうされましたの？」

不思議そうなメイド長さん…と、

貴「……ふふっ、見っつーけた」

と、カーテンを引っ張って、

貴「越前リョーマくん！」
越「…ちぇ」

つか、お前絶対めんどがったろ。

貴「はぁーい、ちょっと借りるね」

リョーマの腕の時計に、私の時計を当てる。ピピっと音がして、リョーマの時計のディスプレイに、バツ印。
私の時計からも、ピピっと音がして、

貴「越前リョーマ、バツ、と」
越「ふぁあ……で、A先輩、誰探し行くの？」
貴「やる気ねえな！」
「…ふふ、見つかってしまわれましたね」
貴「もう、メイド長さん、慌てもしないんだから…」

どんなことがあっても動じない、なんてまさに使用人のカガミだね本当。
まあそんなこんなで、

貴「リョーマ、確保」

です。

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