終わらない愛を君へ (ページ10)

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樹｢Aちゃん、どうしたの？｣

｢じゅ、りくん｣

樹｢ちょ、どうした？泣かないで。ほらあっちで話聞くから｣

ね？なんて樹くんが私の手を引いて、誰もいない階段まで連れてきてくれて。

｢私ね、もう限界なのっ、SNSで自分の名前見るだけで、凄く嫌になる。好きだった演技も、女優って仕事も、大好きな、この作品を嫌いになりそうで、怖い｣

樹｢うん、｣

優しく抱き寄せて、子供をあやすみたいに背中をトントンしてくれる樹くんに、涙が止まらなくて

泣きすぎて何言ってるか分からない時もあったはずなのに、｢うんうん、大丈夫だよ｣って聞いてくれた。

樹｢ごめん、なんて言ってあげたらいいのか、分かんないけど｣

｢……んん、聞いてくれるだけで私は｣

樹｢でもね、これだけは言えるよ。｣

樹｢Aちゃんは、Aちゃんだよ｣

｢…ん、｣

樹｢Aちゃんの事を好きだと、一緒に演技したいと言ってくれる人の言葉だけを信じればいいの。｣

｢うん、｣

樹｢Aちゃんの演技は、人を惹き付ける力があるから。絶対にAちゃんを好きな人で溢れるから！｣

じゅったんがそう言うんだから絶対そう！って言う樹くんに、思わず笑っちゃって。

一生懸命考えて、励ましてくれる樹くんが愛おしくてしょうがなかった。

樹｢もし世界中の人が嫌いだと言っても、俺はAちゃんのことずっと好きだって、忘れないで｣