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「 ちょっと作間、どこまで行くの？ 」
人通りの少ない方の廊下に出て、ようやく立ち止まった作間。体を私に向けて、90度に体を折って謝罪する作間。
作間「 勝手にAちゃんのプリン食べて、ごめんなさい 」
「 ……ううん。私こそごめん、名前書いてなかったのに 」
作間「 Aちゃんは悪くないよ、確認を怠った俺が悪い 」
こんな時でも私を肯定して、自分だけが悪者になろうとする。私が作間の立場だったら怒り狂ってるのに、本当にこの人は聖人なんじゃないかと思う。
そんな人に、私はなんてことを言ってしまったんだろう。
「 ううん、悪いよ。作間に嫌いって、言った 」
作間「 …うん、言ってた 」
作間は怒るでもなく、ふざけるでもなく、優しく笑いかけてくれた。
「 本当にごめんなさい 」
作間「 うん、いいよ。聞かなかったことにするから 」
一時の感情だったとしても言うべきじゃなかった言葉。それなのに作間は笑って許してくれた。
作間「 ねえAちゃん。仲直りのプリン、食べよう？ 」
「 ……食べる 」
この仲直りの仕方、いつも瑞稀がするやり方だ。みんなも心配してくれていたんだろうな、後でちゃんと謝らないと。
コンビニのいつでも買えるものなのに、今日は特別美味しく感じる。
これで夜公演も頑張れそう、なんて。
作間「 嫌いって言ってたけど、本当はどう？ 」
「 どういうこと？ 」
作間「 …その、俺のこと。……好き？ 」
「 当たり前じゃん。好きだよ、大好き 」
耳まで赤くして、満足気に笑う作間。作間の好きがメンバーとしてなのか、はたまた恋愛的な意味で好きなのか、私はよく分かっていないけど。
恋愛的な意味で好きだと言われた時、私はどう答えるのかな。
私の気持ちなんて露知らずな作間は無邪気に「今度はお目当てだったプリン買いに行こうね」と話していた。私は笑って答えた。
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作者名：366 | 作成日時：2022年8月27日 0時
