涙の理由 ページ6
.
新メンバーが加入し、
HiHi Jetsになって数ヶ月が経った頃の話。
レッスンが終わり、
自主練を行う者、帰り支度を始め出す者、
その場でダラダラと話し込む者様々なやつがいた。
そんな中、部屋の片隅で三角座りをした膝に
顔をつけている人がいた。
間違いなくメンバーの、
「 いじゅ。何してんの？
…体調悪い？家まで送ろうか？ ｣
『 ………今は放ってて 』
少し鼻声。こいつ、泣いてる？
女の涙ほど面倒臭いものは無い、
なんて言う言葉を耳にしたことがあるが
彼女となるとそれは通用しない。
だって俺、長いことこいつのことを見ているけど(一方的に)
泣いてるとこなんて初めて見たから。
「 放っておける訳ねーだろ ｣
どかっと彼女の隣に座り、頭にタオルを乗せてやる。
｢どしたの？｣と声をかけてくるジュニアたちに
しっしっと手で追い払ったりもした。
しばらくすれば状況を察したジュニアたちはいなくなり、
部屋には俺たちふたりぼっちになってしまった。
『 ……ごめん、瑞稀 』
「 別に。俺がやりたくてやっただけだから。
……で、何かあったの？ ｣
言いたくなかったら深く聞かねーけど
と一応付け足そうか悩んで言うのを辞めた。
こいつのことだ、そんな一言を付け加えれば
話そうとするのも話さなくなる。
迷惑になるから、つってね。
彼女はぽつりぽつりと語り出した。
自分の今の状況、これからのこと、とにかく沢山。
それらの話と涙の理由が何に関係するのかは
正直あんま分かんなかったけど、話が終わる頃には
彼女はスッキリした表情になっていた。
『 瑞稀がいなかったらちょっと危なかったかも 』
「 それはよかった ｣
『 ありがとうね、…私こんなんだけど、
HiHi Jetsにちゃんと貢献できるように頑張るから 』
私のことを見捨てないでとも読み取れるその言葉に
俺は何も言い返せなかった。
「一緒に頑張っていこうぜ｣、
そう言うのが精一杯だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 525人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
366(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます♡ (2022年9月3日 10時) (
レス) id: 398b640a83 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 井上瑞稀君と橋本涼君と高橋優斗君推しです最高ですコロナと熱中症で体調などにも気をつけてくださいね (2022年8月28日 0時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：366 | 作成日時：2021年8月29日 8時
