ノミンと同期の女の子2 (ページ30)

今日:6 hit、昨日:53 hit、合計:175,745 hit

. ページ30

＿＿＿＿＿＿＿＿

?side

私が入学した年は正直な話当たりだと思う。

入学式には異常な程のカメラの数があり、レンズの先には有名な子達。私たちの2個上の学年にはマークさんという有名な練習生の人がいて、この学校ではみんなが彼のことを知っていた。

そんな彼と同じ事務所にいる四人の子達はみんなメディアへの出演経験があって、その中でも一際目立つ1人の女の子、Aちゃんは様々な芸能事務所で悔しがられるほど存在感を放つ、アイドルになるべくして生まれたような子だった。

悔しさあまりに文句を言う人もいれば、可愛さのあまり一瞬にして心を奪われた人まで、とにかく彼女の話題で持ち切りだ。

入学してからもその勢いは根強くて、男女問わずともAちゃんと話をしたい人が多数いた。勿論、話すことは叶わないけれど、

そんな私たちが考えたのは、ただ見守ろうというもの。それだけでは我慢できずに喋りかける輩もいるにはいるが、これが一番Aちゃんを知る特等席だと思う。

次第にジェノA派とか、方向性が変わっていってしまったのは置いといて、様々な事務所ではAちゃんのせいで(と言ったら悪いように聞こえるけれど)デビューを延期せざる得なくなったりだとか、これ以上世間の注目がAちゃんにいかないようにと、学校外でAちゃんの話を持ち出すことは禁止されていて、日々練習で疲れ切っている私たちの学校内だけのアイドルをこっそりして貰っているのだ。

正直な話、初めはジェノくん達もカッコイイから人気があって、Aちゃんに悪意を持つ人もいたけれど

赤ちゃんのように伸び伸びと成長し、ジェノくんとジェミンくんにお世話をしてもらっているAちゃんをみればAちゃんなら良いわとみんなして意見を変えたのだったりする。

だから私たちの癒し空間のためにも、変に関わっちゃダメ。これは暗黙の了解。

彼女が幸せそうに学校へ来てくれるだけで私たちは満足なのだ。

.