二話目になったよ! ページ3
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「浪木さんって、苦手だなぁ…なんか媚びてる感じするし」
「うん…嫌いな訳じゃないけど、出来れば関わりたくないよね」
嫌でも聞こえる、いつもの話題。中学の時からそう。
だから、特別悲しい訳じゃない。
勿論、最初は密かに傷付いていたけれど。
でも今はもう何とか平気。
言い返したら、逆に皆に嫌がられちゃう。
私は友達もいないし、クラスでは浮いてばかり。
媚びてる訳じゃないのに…誤解が誤解を生んでしまった。
「どうしたら、嫌われないで打ち解けられるのかなぁ」
そんな疑問は、誰かにとっては簡単でも私にとってはとても難しい事。
「ああいう人って、何で自分にあんなに自信があるんだろうね?」
「ねー、そんなに自分が可愛いっていう確信、どっからくるんだろ」
違うよ、私は別にそんな事思ってないよ…。
一人で心の中で呟いてみるけど、当然誰かには届かない。
「いや、ぶりっこだからでしょ。大して可愛くもないのにさ。キモイよね」
グサッと刺さる言葉だって勿論ある。
今言った人は今朝、挨拶をした時に反応してくれたクラスメイト。
篠崎さんって言う子で、私の事は嫌いみたい。
特別気にしてないけど、でもあからさまな反応過ぎて正直私も苦手。
けど彼女には友達は多いし、きっと性根は悪くないのだと思う。
ちゃんと話し合えば、分かり合えるって思うから。
良いなあ…篠崎さん。
一杯、友達がいてきっとお休みの日とかは友達と遊ぶんだろうなぁ。
噂では彼氏もいるらしい。
私は女の子の友達はあんまりいない。
だから勿論、友達とショッピングだとかカラオケだとかは行った事がない。
彼氏なんて遠い世界だし…。
苦手ではあるけれど、羨ましい…なんて思う私だっている。
でもくよくよしてても、仕方がないものは仕方がない。
私が頑張るしかないし。
「あっ、」
そう意気込んでいると、前の席の女の子が消しゴムを落としたみたいだ。
消しゴムは転がって私の足元に。女の子は一瞬で気まずい顔になる。
私は慌てて拾うと、彼女に手渡した。
「あ、ありがと…」
余所余所しく受け取りながら、さっと目を逸らされてしまった。
やっぱり急には無理だよね…。
でも、こんな小さな事で落ち込んじゃダメだ。
頑張るって私は決めたんだから。
何度だってやってやるのだから。
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柏木美琴(プロフ) - というか今どき学校でぶりっ子嫌われたりするんですね。私の学校は友好関係全部良かったですよ。まあ、進学校で勉強とかで忙しいから人の喋り方とか嫌がらせしている暇とかないからだと思いますけど (2021年5月16日 11時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - 自分の思ってる価値観と世間一般の価値観が大幅にズレているからこうなってしまうんでしょうね。私も背が低いですけど上目遣いなんてしてませんよ。首の角度あげたら済む話じゃないですか。でもこういう人って価値観のズレみいつまでも直そうとしないから嫌われるんだよ (2021年5月16日 11時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
瑚桜 - 素晴らしいですね…!こんな人が居るということを改めて感じさせられました…! (2020年10月22日 19時) (レス) id: 3cd7fd4374 (このIDを非表示/違反報告)
アール - 私は"ぶりっ子”ではないですが、共感された方も多いと思える作品でした。 (2018年7月15日 2時) (レス) id: 687a55ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ− - りるりるさんにはまだ未来があります。諦めず前を向いて自分の未来を作って言ってください! (2018年3月4日 16時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空美都 | 作成日時:2016年12月20日 18時