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JM「Aちゃん、、、、っていうんだ」
『は、い』
私は用意してた言葉を、
何一つ出せなかった。
固まって、目に涙が溜まって、
こんなに心から「会いたかった」って感情が
身に染みる経験なんてなくて。
ジミンさんの金髪は、
後ろの照明に反射して、
つまりは後光がさしてて、
まさに天使だった。
JM「泣いてるの？そんなに僕に会いたかった？」
ってまた柔らかく笑って、
慣れた手つきでサインを書いた。
JM「………好き超えて愛してる超えて生まれてきてくれてありがとうって言うんじゃなかったの？」
……………………え、？
なんでそれを？
JM「僕だよ」
ってその瞳の奥は熱っぽく
左右にビー玉みたいにキラキラ揺れた。
JM「サクラモチさんにやっと会えた」
え？、
その瞬間にスタッフの人に背中を押され、
すぐにテヒョンさんのターンに。
顔面国宝のテヒョンさんを前に、
私はまだ理解できなくて。
ベイビーモチさんと話した内容を、
なんでジミンさんが知ってるの？
TH「わぁー、日本の制服？かわいいね」
『あ、…………ありがとうございます、』
TH「ん、？どうした？泣いちゃったの？」
テヒョンさんはすっと手を伸ばして
私の顔に触れた。
テヒョンさんの手はスラッとしてて、
同じ人間じゃないみたいだ。
TH「嬉しくて泣いたんなら、問題なさそうだね」
って穏やかに微笑んだ。
握手会は一瞬で終わり、夢の中みたいだった。
帰り際、私はスニーカーの足が痛んだ。
ずっと並びっぱなしで足の裏が痛かったんだ、
ってことに緊張が解けてから気づいた。
コンビニで湿布を買って、
足の裏に貼って、
しばらくベンチに座ってぼうっとした。
ジミンさんの言った言葉は何だったんだ。
パラパラとサインのノートを広げたら、
７つのサイン。
ジミンさんのはサインだけで、
特に何の言葉も書かれてなくて。
なんだ、私の韓国語聴解が
私の都合の良いように書き換えられただけなのか、と勝手に落胆して、
ノートを際限なくパラパラとめくっていたら、
一番最後のページ
『…………………22:00、○○○-○○○○、2403、？』
殴り書きされたその数字は、
明らかに私の字じゃなくて。
もしかして、ジミンさん？
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年8月22日 23時
