TH ページ19
TH「お客さん、
誰もいないですよ、
このバー」
JN「うん。貸し切ったからね」
TH「え？」
JN「僕のプライベートな話をするんだ。
当たり前だろう？
で、君、お酒は飲める？」
TH「ちょっとなら。甘いのがいいですけど」
JN「うーん、
ゴールデンキャディラックでいい？」
TH「え？」
JN「いいよね？」
TH「あ………………はい、
ソクジンさん、カクテル作れるんですね」
JN「うん。かっこいいでしょ」
TH「………、」
ソクジンさんは
手慣れた感じでお酒を作ってる。
JN「Aと僕は遠い昔に
結婚しようって約束をしたんだ。
僕はずっとAのことを愛してるんだけど」
TH「……へぇ、」
JN「Aは平気で他の男たちと
付き合ってきたんだ。
中学の時にできた
初めての彼氏は、
見た目しか取り柄のない中身が空っぽの
サッカー部の副キャプテン、
その次は、宇宙工学部とかいう
オタク系部活の部長。
付き合ってきた男はだいたい
全部把握してるんだけど」
TH「…さっさと付き合えば良かったのに。」
JN「……
僕と比較対象があった方が、
彼女も結婚したときに気づくでしょ？
あぁ、なんてソクジンって
他の男と違ってかっこよくて優しくて
素晴らしい男性なんだって。
Aが付き合ってた彼氏は、
カスばっかりだったからさ。
あ、はい。できたよ、お酒」
TH「わ、早い……ありがとうございます」
JN「僕は元々は全然モテなくて、
メガネかけててなんかどこにでもいるような
少年で。
もっとかっこよくなって、
もっと経済的余裕がある、
人間的に成長した姿で、
Aに再会して
結婚したいと思った」
TH「ふぅん」
JN「でも全部無駄だったのかな」
いつものソクジンさんじゃないみたい。
いつもはザ・キザ男って感じ。
恥ずかしいセリフに、
ウインクしたり、余裕そうに笑ったり。
けど、俺の目の前にいるソクジンさんは、
自信なさげだ。
JN「僕の我慢も、僕の努力も、僕の愛も」
TH「………ヌナとソクジンさんは
運命の糸で結ばれてるから、大丈夫ですよ」
JN「結ばれてるのかな」
TH「僕には見えますよ。赤い糸。
ヌナの小指とソクジンさんの小指に
.
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名無し9755号(プロフ) - 身分の違う男女の恋愛が好きで、結ばれそうで結ばれない、そんな感じがとても良かったです！ (2021年8月13日 20時) (
レス) id: 12d6118293 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 今作も最高でした。ありがとうございました！ (2021年4月15日 8時) (レス) id: 30626e481a (このIDを非表示/違反報告)
LuLu(プロフ) - (ここでも大丈夫ですか？ダメでしたら全然消してください！) ジンくん最っっっっ高でした。ファンには見せない領域の儚げなジンくんや、本気で思ってそうなキザなジンくんまで、読んでいて想像つきました。報われて良かったです！これからも頑張って下さい！ (2021年4月14日 23時) (レス) id: 0d8bba83e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年4月9日 1時
