“もっと違う価値観で”-JM- ページ11
変な時間にテヒョナから
連絡があった。
TH「やぁ、ジミナ、
なんだよその格好笑」
JM「だって、急に呼び出すから」
アフターあとのテヒョンからは、
清潔なボディクリームの香りがする。
テヒョナは客と寝たあと、
ちょっと異常なくらい
体を良く洗う。
僕が知る限り、3回は、
全身と頭、顔を洗って、
歯磨きは３０分くらいする。
でも僕は指摘したことがない。
深く聞かない。
僕たちはすごく仲がいいけど、
お互いに
相手が聞かれたくないだろうなってことは
聞かない。
平日の朝７時の駅前は、
通勤するサラリーマンが僕たちの横を
通りすぎる。
そんな中、僕たちはじゃれ合う。
TH「ラーメン行こ」
JM「僕から誘うことはあっても
テヒョンから誘ってくれることって
珍しいよね。なんかあったの？」
TH「…………別に、」
ふぅん、なんかあったんだね。
TH「ジミナ、恋したことある？」
ってテヒョナのブリーチしすぎた金髪を、
春の風が揺らした。
その横顔は、ほんとに
男の僕でも惚れ惚れしてしまうくらい、
美しくて。
JM「バカにしてる？笑
恋くらいしたことあるよ」
TH「俺が言ってんのは
一世一代の恋だよ」
JM「一世一代？たかが恋なのに大袈裟だな笑」
って僕が茶化しても、
相変わらず真顔のテヒョナ。
TH「眩しくて、苦しくさせて、
忘れたいって思うくらいの、
そんな、恋」
JM「………、」
テヒョナのそんな話を聞くのは
初めてだった。
TH「あ、見て見て、ジミナっ、
タンポポだ」
恋が眩しいってのはわからないけど、
僕はテヒョンを見てると、眩しいって思うよ。
コンクリートから生えるタンポポを
テヒョナはしゃがんでスマホで撮る。
こんな汚い世界で生きてるのに、
そうやって綺麗な心のままで生きてる
テヒョナが、
僕は眩しいよ
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年2月11日 15時
