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K side
「ただいまー」
通い慣れたこの家へ今日も帰ってこれたことにほっとする。
「おかえり、ひろみつ。」
リビングの扉を開ければ迎えてくれる君の姿。
「今日早くない？」
「明日から怒涛やからって今日は昼からオフや。明日からひろみつとすれ違いやなんていややー！」
ぎゅうぎゅうと力を込めて抱き締められるのは苦しいけど、求められていることが、ここにいて良いんだと思わせてくれて嬉しく思う。
「なぁ、明日からお前忙しいじゃん。俺、自分の家帰ろうか？ちゃんと休んだ方が…」
「あかん！絶対あかんぞ！こっち帰ってこい！」
勢いよく離れたかと思ったらガクガクと揺さぶられる。
「なん、ど、した！おち、つけ、って！」
「疲れて帰ってきてひろみつがおらんなんか絶対いやや！先寝とってえぇから絶対ここにおって！」
真剣な顔で怒ってくるただくんがなんだかおかしくて笑ってしまう。
「笑い事やないねんけど。まぁ…お前かて忙しいしなぁ。どうしても言うんやったらしゃーないけど…」
「んーん、ここにいていいならこっち帰ってきたい。ただくんの顔ちょっとでも見たい。」
少し前まではこんなこと思うなんて想像もしていなかった。家に帰っても感情に飲み込まれないように必死だった。そこから連れ出してくれた。長年拗らせた想いをまるごと受け止めて、癒して、ただ側にいてくれるこいつを、どうしたら愛さずにいられるだろう。
「そんなん言うん反則やで」
前髪をさらりと撫でて、おでこにキスされる。
「反則とか。いまさらだろ。」
俺を愛してくれて、居場所をくれた。ここにいていいと言ってくれて、帰りを待っていてくれる。今までは踏み出そうとしなかった世界へ、いとも簡単に連れ出してくれる。
「ただくん、すき。だからもっと、シよ。」
首に腕を回して続きをねだる。
「覚悟せぇよ。今日は離したらへんで。」
明日からのことなんか、今は考えたくない。
これからも甘い時間を、君と。
Fin.
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imtr(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！同じように思ってらっしゃる方がおられてなんだか安心しました。少しでもこのお話が気晴らしになっていれば嬉しいです！ (2021年2月22日 23時) (
レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 私もその発言にもやもやしていました…この話を読んで少し心が軽くなった気がします！素敵なお話をありがとうございました！ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 81c528a286 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：imtr
| 作成日時：2021年2月18日 20時
