D.gray-manー2人で歩く道 (ページ7)

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伝えられていない事実ページ7

『…え、蝋花ちゃんには言ってないの？？』

バ「当たり前だろ。あいつのことだ、お前とウォーカーが付き合ってるだなんて耳にしたら、絶対落ち込むだろう…」

チャン兄妹が電話でこのような会話をしている。

ーーというのも、バクがフォー含むアジア支部の面々にAの恋愛事情について報告をしてくれたらしいのだ。

…だが、蝋花にだけはそれを伝えなかったらしい。
もちろん李佳やシィフにも、彼女の耳に入らないよう気をつけるように伝えている。

『…そうだよね……私のこと、信じてくれなくなってもおかしくないね…』

以前アジア支部に行った時、アレンのことを1人の男性として好きなのだと自分に伝えてくれた蝋花。

当時は「自分は彼のことを恋愛の意味としてでは好きではない」と断言していたし、何よりも蝋花のことを応援する、だなんて伝えていたのだ。
※アジア支部編参照

もし、今の彼女にAとアレンが付き合っているという事実だけが伝わってしまえば、きっと蝋花はAに裏切られた気持ちになるだろう。

『…でも…ずっと伝えずにいる訳にもいかないと思う。…ちゃんと私の口から、蝋花ちゃんに直接伝えに行きたい。』

バ「…ああ、それが最善の策だろう。来週、書類を取りに行くついでに伝えに行くか？」

『うん、そうするよ。ありがとうね、バク兄。』

～～

『…怖いなあ……』

部屋に戻り、そんなことを呟く。

ーー正直言って、嫌われてもおかしくないことだ。

蝋花の方が自分よりも遥かに前からアレンのことを想っていて、自分にもその気持ちを伝えてくれていたのに。そして自分は応援する、と言っていたのに。

そんな中で自分は彼女に何も伝えないまま、彼女の知らない所で彼と結ばれてしまった。

(覚悟は、ちゃんとしていかなきゃね。)

蝋花が自分を嫌っても、口を聞いてくれなくなっても、その時は仕方の無いことで。

結果はさておき、今は事実を正直に伝えに行くことが1番だと自分に言い聞かせた。

ーー事実を告げられた蝋花は、一体どんな反応をするのだろうか。

アジア支部を訪れるまでの暫くの間、Aはずっとそのことが気がかりで仕方がなかった。